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  1. 大分県議会 2008-12-01
    12月09日-03号


    取得元: 大分県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    平成20年 第4回定例会(12月)平成二十年十二月九日(火曜日)  ------------------------------- 議事日程第三号       平成二十年十二月九日           午前十時開議第一 一般質問及び質疑  ------------------------------- 本日の会議に付した案件日程第一 一般質問及び質疑  ------------------------------- 出席議員 四十三名  議長        阿部英仁  副議長       近藤和義            古手川茂樹            牧野浩朗            嶋 幸一            毛利正徳            濱田 洋            三浦 公            元吉俊博            末宗秀雄            御手洗吉生            桜木 博            麻生栄作            首藤勝次            田中利明            大友一夫            井上伸史            渕 健児            佐藤健太郎            志村 学            安部省祐            荒金信生            佐々木敏夫            玉田輝義            深津栄一            酒井喜親            首藤隆憲            平岩純子            吉冨幸吉            佐藤博章            吉田忠智            梶原九州男            賀来和紘            江藤清志            久原和弘            小野弘利            内田淳一            河野成司            伊藤敏幸            竹中万寿夫            衛藤明和            高村清志            堤 栄三 欠席議員 一名            佐々木哲也  ------------------------------- 出席した県側関係者  知事        広瀬勝貞  副知事       平野 昭  教育委員長     麻生益直  教育長       小矢文則  代表監査委員    阿南 馨  総務部長      二日市具正  企画振興部長    佐藤 健  企業局長      三浦秀一  病院事業管理者   斎藤貴生  警察本部長     田盛正幸  福祉保健部長    阿南 仁  生活環境部長    宇都宮鉄男  商工労働部長    米田健三  農林水産部長    高山精二  土木建築部長    山路茂樹  国民体育大会・障害            江川清一  者スポーツ大会局長  会計管理者兼            利光一義  会計管理局長  人事委員会            江藤敏博  事務局長  労働委員会            佐竹幹夫  事務局長  財政課長      工藤利明  知事室長      青木正年  -------------------------------     午前十時四分 開議 ○近藤和義副議長 これより本日の会議を開きます。  ------------------------------- ○近藤和義副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第三号により行います。  ------------------------------- △日程第一 一般質問及び質疑 ○近藤和義副議長 日程第一、第一一二号議案から第一三九号議案まで及び第五号報告を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。首藤勝次君。  〔首藤(勝)議員登壇〕(拍手) ◆首藤勝次議員 皆さん、おはようございます。十三番、自由民主党の首藤勝次でございます。 まずもって、きょう早朝から、冷たい雨の降りしきる中でありますが、多くの傍聴の皆さん方にお出かけをいただきました。心から厚くお礼を申し上げます。 混沌として国際的な動揺が日本列島、そして、例外なく我が大分県を揺さぶっております。財政運営も、わずか半年前に非常に緊張感を持ってスタートさせたわけでありますが、ここに来て、またさらなる再編が余儀なくされているという非常に厳しい状況にありますが、そんな中にありまして、広瀬知事初め、執行部の皆さん、そして、県民に近く、最前線でご活躍の県庁職員の皆さん方に、心から敬意を表し、また、感謝を申し上げる次第であります。 しかしながら、やはりアメリカに端を発しましたかのサブプライムローン、そして原油等高騰、さらには追い打ちをかけるように円高が襲ってまいりました。大分県におきましても、いわゆるキヤノンショック、あらしが吹き荒れているわけでありまして、かつて経験をしたことがないほどの非常に厳しい状況が突きつけられております。しかし、こうした厳しい状況の中にあってこそ、私たちは、夢と希望、そして勇気をなくさずに立ち向かっていかなければならぬ、逆風の中にしか、たこは天高く舞い上がらないという気概を持って頑張っていく必要がある、そう思っているところであります。 第四十四代アメリカ合衆国の大統領に上り詰めましたかのバラク・オバマ氏は、彼が私淑するルーサー・キング牧師のあの有名な言葉を国民に対して再び唱えました。「アイ・ハブ・ア・ドリーム」であります。「私は夢を持っている。そして、私は、私のために歩いているのではない。子供や孫のために歩いているのだ。私たちは、決して一人では歩いてはいけない。多くの皆さんとともにこそ歩いていけるのである」という、この言葉も非常に強く胸に残るわけであります。 だれも経験したことがない厳しい時代を経験している私たちであるからこそ、今、命をかけて新たな政策展開をしていくことが必要であろう、そんな気概を持って私は質問に入らせていただきます。 まず、大分県観光の情勢と観光行政の課題についてであります。 ご案内のように、大分県は、今からもうほぼ四年になりますけれども、平成十七年四月に、大分県観光協会を発展的に解消させまして、ツーリズムおおいたを立ち上げました。同時に、観光は総合力であるというその理解のもとに、私も一般質問で提案をさせていただきましたけれども、広瀬知事もそれにしっかりと呼応していただきまして、観光・地域振興局という横断的な機能を持った観光行政の組織を立ち上げていただいたところであります。 日本における観光行政の発端は、一九三〇年、昭和五年でありました。当時、鉄道省の中に国際観光局として立ち上がったのが日本における観光行政のスタート地点でありました。あれから、紆余曲折の荒波を越えて、ここに到達しているわけでありますが、しかし、これまでの八十年間が全くうそのような非常に大きな変革が、今、私たちの目の前に突きつけられているわけであります。 そこでまず、広瀬知事におきまして、この四年に近くなろうとしているツーリズムおおいたの今の状況、そして、大分県の観光行政の状況、また、大分県の観光情勢が今どういう局面にあるのかということをどういうふうにとらえておられるのか、まずはここからお聞きをしてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  〔首藤(勝)議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○近藤和義副議長 ただいまの首藤勝次君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 ただいま首藤議員には、かのマーチン・ルーサー・キング牧師の言葉を引用して激励をいただきました。まさに、こういう厳しいときでございます。我々も同じ気持ちで事に当たっていきたいというふうに思っているところでございます。 まず、観光行政についてのお話でございました。 大分県では、他に先駆けまして観光と地域づくりを一体としたツーリズムの推進という考え方を打ち出しまして、県の組織を変え、また、県観光協会にもツーリズムおおいたへの改組をお願いして取り組みを進めてまいりました。 なぜ組織の改編か、なぜツーリズムおおいたかということでございますけれども、これは、観光客のニーズが多様化しております、そして、触れ合いやいやし、あるいはゆとりなどを求める人がふえているということであります。そして、それは結局、住んでいる人が心地よいと思える、あるいは誇りに思える地域に人は訪れるということでございます。したがって、地域づくりと観光を一体的に進めることが重要であるということなどを考えまして、こういう措置をとった次第でございます。 地元の皆さんが地域資源を見詰め直して、それを大切にする、訪れた方に心尽くしのおもてなし、そして満足をして帰っていただく、このような地道な取り組みに目を向けて成果を上げていくということが大事でございます。 もちろん、地道な取り組みでございますから、時間と努力を要すると思いますけれども、必ずよい方向に進んでいくものと確信をしております。なぜなら、それが今、観光に求められているニーズではないかというふうに思うからであります。 湯布院の例は言うに及びませんけれども、長湯温泉につきましても、観光情報誌等の調査で上位にランキングされておりますゆえんは、長年のまちづくりの取り組みの成果であるというふうに考えております。 他方、これまでの取り組みについての課題もいろいろあると思います。 しっかりと地域づくりを行うという取り組みの方向性は正しいんだけれども、そればかりでは日々の観光客はなかなか増大しない、もっとPRにも力を入れてほしいという声があります。まさにこのPRということも、いいものを売り込むために大変大事なことだというふうに思います。 この点につきましては、ツーリズムおおいたと地域観光協会が連携をいたしまして、福岡都市圏を中心としたプロモーションとエージェント、マスコミを対象とした商談会が実施されているわけでございます。これによりまして、新しい観光ツアーが造成されたり、あるいはマスコミに取り上げられることで観光客がふえるといった成果も出ております。 ことしは、国体の開催、あるいは東九州自動車道の佐伯までの延伸、あるいはJR九州の大分キャンペーンなど、本県にとってプラスの要因がいろいろありました。県といたしましても、このチャンスを確実に生かすために、ツーリズムおおいたや地域観光協会と一体となって取り組んでまいりました。 来年度以降、九州新幹線の全線開通などに伴いまして九州内でも地域間競争が激しくなっていくことが予想される中で、いま一度、ツーリズムの原点に立ち返って、資源を生かした地域づくりと戦略的な観光PRに取り組んでいきたいと考えているところでございます。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 ありがとうございました。 ツーリズムおおいたと県の観光行政との組織のうまい絡み、相乗効果をどう出していくかということ、私たちも期待していたところであります。ただ、最近の動向を見るにつけ、大分県の観光、少し弱体化しているかなという思いがありましたので、予算面からの考察をしてみました。 平成十六年、つまり大分県観光協会がまだ存続をしていたときであります、切りかえる前でありますが、県の観光関係の予算が四億九千万円、ほぼ五億円ありました。これが年々削減をされて、平成二十年度、今年度の予算は二億八千四百万円ということで、当時の五七、八%にとどまっている。非常に予算的にも縮小されている。これは、三位一体改革、それをどう努力をしていくか、どこをどういうふうに削減をしていくのかという、その観点からしてみると、ある程度、この流れは仕方がない部分があるのかなというふうな思いもしておりますが、しかし、この減少率というのはちょっと、いわゆる観光立県を目指す大分県としては弱いのではないかという思いがいたします。 一方、旧大分県観光協会、県の委託事業、また、補助事業合わせて、いわゆる観光協会の時代には五千三百万円ほどの予算があったようであります。十七、十八、十九、二十とほぼ横ばい、ないしは少し増加の傾向にあった。しかし、その増加額も非常に微々たるもので、平成十九年度、七千七百万円を一つのピークにして、本年度は、やはり六千二百万円弱、これまた、前年に比べて八五%の予算しか組めてないということでありまして、そういった意味では、本気を出して、今、国の方も観光立国だと言っているときに、内需拡大の最高の力、また、潜在能力を持っている大分県として、この予算を見る限りの集中度は非常に低いんではないか、そう私は思っておりますが、この点についての、まず知事のご感想、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○近藤和義副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 大変厳しい中でございますから、予算の削減は全体としてやむを得ない面もありますけれども、ただ、議員ご指摘のとおり、観光というのは大変大事な分野でございます。したがって、予算の中身を相当見直しながら、大事なところには大いに、観光促進のための、あるいはツーリズム推進のための予算をつけているというふうに考えているところでございます。 例えば、物産等についての予算はだいぶ削られてきているかもしれませんけれども、いわゆるツーリズム、地域をおこし、そして地域のよさをPRしていくというような予算については、必要なものは計上されているというふうに考えているところでございます。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 実は、今のツーリズムおおいたの幹部の皆さん方、そして大型観光地のリーダーの皆さん方に現場論をお聞きしてみますと、やはり非常に厳しい。民間も一生懸命頑張るんだけれども、ここでもってやはり行政がしっかりと引っ張っていってほしいという感想を皆さんが持たれているということを知事に伝えておきたいというふうに思います。 これからの観光振興、一体どうあるべきかということに対しての提案を交えて、少し問題を掘り下げていきたいというふうに思います。 十月一日に待望の観光庁が発足いたしまして、初代長官に本保芳明さんが就任をされました。非常に地方の観光行政に明るい方でありますし、また、大分県にも数度、足を運んでいただいている方でありますから、地方の観光行政の実態というのには非常にお詳しい。それだけに、こちらにも大きな期待を寄せていただいているところであります。 その折にも提案をされ、また、私たちも議会で研究をしてきたんでありますが、このほど、具体的に、九州を横断する観光振興の議員連盟を立ち上げようということで、今、議員会長初め、全員の議員の皆さん方の賛同を得て、熊本、長崎とともに三県連携の議員連盟を立ち上げようということになっております。 先般、その会議が熊本市で行われたわけでありますけれども、ちょうどそれに呼応するというか、先立って行政の連帯が生まれているということに私は非常に喜びを感じたんでありますが、この三県の連携についての今後の構想、どういう戦略を打ち立てようとしているのかということの概略についてお聞かせ願えればと思います。 ○近藤和義副議長 佐藤企画振興部長。 ◎佐藤健企画振興部長 今お話のありました三県の行政の協議会でございますが、これは熊本、長崎と大分という三県であります。 これは、問題意識といたしまして、平成二十三年に九州新幹線が全線開通する。これによって九州全体の入り込み客は大幅な増加をもたらすというふうに考えるけれども、それがこの横軸の三県にとってどのような形で呼び込むことが可能なのか、こういう課題を念頭に置いてつくられた協議会であります。 この中では、共通する地域資源を生かした広域モデルルートを考えようということで、一つは、雲仙、阿蘇、長湯、別府などの温泉を結ぶルート、あるいは、島原、天草、朽網、府内などキリシタンゆかりの地を結ぶルートなどを検討しているところであります。 あわせまして、広域的な観光マップエージェントの招致、それから交通アクセスの整備、JRの周遊パスといった提案などについても三県で検討していこうということになっております。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 JRの周遊パス等々の今の戦略、非常に期待が大きいところであります。 実は、その会議の折に、三県の観光を担当するそれぞれの部局長さんがおそろいでありました。そのときに、私、資料を見せていただきまして、実は非常に大きな驚きを覚えました。 と申しますのは、熊本、長崎、大分というふうに考えてみたときに、恐らく、まあ熊本は、二〇一一年、新幹線に期待するということでの機運が高まっているということもあるんでしょう、そこについての数字はなるほどと思ったんですが、実はその中で、大分県の外国人観光客の宿泊者数が、何とその三県の中で最下位なんです。別府、湯布院があって、あれだけアジアからも別府に相当なお客さんがお見えになっている。熊本とか長崎というのは、そうイメージとして高くないだろうと思っておりましたが、数字を挙げてみますと、外国人宿泊者数は、一番多いのが長崎県、四十五万人、熊本県が四十万人、大分県は何と三十二万六千人しかない。全国で、長崎が九位、熊本が十二位、そして大分県が十四位ということでありまして、この数は、一つ、大きなショックというか、驚きでありました。 また、国内の宿泊者数も、熊本が五百万人に達しようとしているんだけれども、大分県は四百四十万人ということで、長崎よりも少し多いんでありますが、全体的に見て、この三県だけを見ても、大分県の観光が突出をしているというイメージが私はあったんでありますが、そうではなくて、下位とは申しませんが、期待よりもはるかに少ないということにちょっと不安を感じました。 このあたりの戦略の問題、これまでの戦略の課題みたいなものでお気づきのことがございましたら触れていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ○近藤和義副議長 佐藤企画振興部長。 ◎佐藤健企画振興部長 今ご指摘いただいた数字の中で、外国人観光客のお話がございました。今現在、国内の観光客は横ばい、ないしは若干のマイナスという状況の中で、国全体の観光の伸びを支えているのは外国人観光客であります。そういった中で本県の外国人観光客の推移を見たときに、若干、九州全体の伸び率に比べまして弱いという面がございます。 その要素の一つとしては、もちろんPRの問題もあるんかと思いますけれども、私どもがまずやらなければいけないと思っているのは宿泊受け入れの拡大ということであります。 これまで、外国人観光客の受け入れに対して、ややもすると消極的な宿泊施設が多かった。これは、もちろん、泊まるお客様のマナーの問題とかいろいろございまして、積極的に宿泊に外国の観光客を入れてない施設が多かったという面があろうかと思います。そういったところで、受け入れの拡大がいま一度必要ではないかということで、今、外国人の観光客を受け入れるための協議会、別府を中心としてですけれども、組み立てまして、受け入れの拡大というのを図っていこうとしております。 また、もちろんPRの面で不十分な点があったのかもわかりませんから、来年に向けましては、少し地域別に、どういった形でアプローチすれば、より少ない予算の中でPRができるかということで戦略を練っているところでございます。
    ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 今、部長の方から受け皿の問題が出ました。確かにそういう背景があるのかもしれません。ただ、やはり私は、九州観光の一体化した観光力ということの中で、どうも大分の個性が最近かすんでいるんではないかという思いがするんです。 アジア、ヨーロッパの観光客の誘致に関してのお話はまた後ほど出しますけれども、私がちょっと一つ気になっているのは、九州観光推進機構が立ち上がった、私もメンバーに加えさせていただいておりますし、観光まちづくりネットワークの形成とか、九州への誘客戦略、さらには一体化した情報発信をやっていこうということで、大分県も三千万円という、この厳しい中で比較的大きな予算を捻出していただいている。しかし、その内容を見ると、どうも上がっているメニューについては、本当に細かく網羅しているというふうに思うんですが、現場での効果がなかなか大分県は及んでない。私は、分析をしてみるのに、大分らしさという形での独自の戦略とのリンクがうまくいってないんではないかという気がするんですが、その点についてはいかがですか。 ○近藤和義副議長 佐藤企画振興部長。 ◎佐藤健企画振興部長 九州観光推進機構と県の施策、戦略がリンクをするということが非常に大事だというご指摘は、そのとおりだと思います。 もともと九州観光推進機構というのは、県単独ではなかなかアプローチが難しい、予算的な、あるいは人的な制約で難しい大都市圏であるとか、あるいは海外、そういったところに向けて、九州一体で一つのブランドとして売り込んでいこうというねらいでつくられているわけですので、それとどう県の独自のものがリンクするかというのが大事ということになります。言葉を裏返せば、九州全体をPRするということですので、その中で大分が埋没してしまわないようにするというところが大事だということになります。 それぞれ観光推進機構では、東アジアからの誘客であるとか、あるいは大都市圏に向けて、県をまたがった観光ルートの造成といったようなことをやっているわけですけれども、こういった中で大分がいかに、より絡んでいくかというのが非常に大事ということになるかと思います。 今年度につきましては、JR九州が大分のキャンペーンを張っておりますので、これとこの九州観光推進機構の予算をうまく使うというような観点でやっているわけですが、幸いにして近畿圏、中部圏では、JRキャンペーン九州観光推進機構の予算を使ってPRする、いろんな形で広告が出ているという形で連動をさせることができておりますが、さらに、今、議員ご指摘のように、大分らしさというのを、より前に出していくために、私どもも、九州観光推進機構の動きと連動して、県、あるいはツーリズムおおいたとしての動きというのをつくっていかなければいけないと思います。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 ぜひ大分のためのというか、大分の底力が九州の中でもきらりと光る、そういう戦略を生み出していただきたいというふうに思います。 実は、十月一日の観光庁発足のときに本保長官ともお話をいたしました。すぐに全国の観光圏の指定をいただいて、大分県は、きのうお話に出ておりましたように、東九州の観光圏、そして阿蘇くじゅう観光圏、二カ所が包含されるご指定をいただいたということ、非常にこれは特筆すべきことだというふうに思っています。 選考委員の皆さん、先生方ともお話をするんでありますけれども、やはり、九州のど真ん中に、この観光によって新たな経済圏を形成していこうというような動きがここで創出されれば、これはチャンスだという思いがいたしています。 特に、二〇一一年、熊本新幹線が開通をするにつけ、今、熊本は一生懸命頑張っていますが、阿蘇くじゅうの連携の中で、特に阿蘇郡が阿蘇デザイン会議の中で、あれ、実は、プレゼンをした骨子というか、大きな流れは阿蘇がリードしていただいているようです。デザインセンターの皆さんともそういうことで勉強会もやりました。その中でもやはり、大分の方の戦略がほとんど見えてないんで、これは少し残念だと。 そこで、考えてみると、私たちは、阿蘇くじゅう十字路会議という、いわゆる県境を生かした観光戦略を、会議を立ち上げてずっと前からやってまいりました。その中で、やはり阿蘇くじゅうの流れというのは、外国の皆さんにとっても非常に魅力的に映っている。それを、先ほど話に出た課題としての受け皿とする中で、これまで「ぐるっとくじゅう周遊道路」というハードの方の戦略もやってきたんでありますが、このやってきた、私はほかの地域から比べるとかなり先進的にやってきたんだ、ハード面もかなり充実をしてきているというふうに思いますが、このハードとソフトをどう結びつけていくかということに関して、ソフトの面、ハードの面から、企画部長と土木部長にそれぞれ、構想なり、今後の展開をお聞かせ願えればと思います。 ○近藤和義副議長 佐藤企画振興部長。 ◎佐藤健企画振興部長 今お話のあった「ぐるっとくじゅう周遊道路」、この周辺には、観光という面で見た場合に、温泉でありますとか、湧水、それから、言うまでもない、高原、自然といった観光資源があるわけであります。こういったものと、最近では、今、「くじゅうトマト街道」というのをやっていますけれども、こういった農産物との組み合わせというのも地域の資源として生かしていけないかというのが観光面でのポイントだと思っております。 そういった中で、これまでも県境を超えて「九州なかなか地域ブランド会議」とか、そういった形の検討のベース、連携の基盤づくりというのは少しずつ進んでおりますので、こういった中で新しい観光圏といったことも、湯布院と別府とをつないで、久住高原をつないでということも県としても考えなければいけないと思いますし、そういった形での観光、物産両面からのアプローチというのがくじゅう地域の観光の戦略としては考えられると思っております。 ○近藤和義副議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 ハード面からということでお答えいたします。 くじゅう地域の観光を支援いたします、道づくりとして認定されました「ぐるっとくじゅう周遊道路」につきましては、国道、県道、市道七路線から成る総延長約七十キロの道路で、改良率は約八〇%でございます。 現在、国道一カ所、県道二カ所で事業を実施しておりますので、限られた予算の中でございますけれども、鋭意、早期完成に向けて取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 ありがとうございました。 これに福岡を加えて、福岡、熊本の観光動線をどう強化していくかというのは、私たちのまた、もう一つの課題だろうというふうに思っております。そういった意味でも、この道路の整備というのは、中九州高規格道路の整備とあわせて、非常に大きな相乗効果を生むであろうというふうに考えていますので、今後とも、ぜひ大きな力を入れて推進をお願い申し上げたいというふうに思います。 さて、続いて大分県の観光推進体制、これは組織の方の話になりますが、やはり内需拡大に向けては、観光振興というのは大きな柱になるというのはもう申し上げるまでもありません。 そこで、ツーリズムおおいたが発足をして四年近くになるんでありますが、今、ツーリズムおおいたの方の組織、職員の皆さん方の数とか役割とか使命というのはどのあたりに重点を置いてやっているのかということをちょっと触れていただけませんか。 ○近藤和義副議長 佐藤企画振興部長。 ◎佐藤健企画振興部長 今、ツーリズムおおいたには、事務局長としてJTB九州からの出向の方に来ていただいております。その下に三名の職員が携わっているという状況であります。これは、一つは、民間の力を生かした形での観光商品の造成でありますとか、PRといったことが考えられます。 職員の担当している仕事の主なものといたしましては、やはり、観光PRの立案、ホームページの作成など、あるいは観光情報誌、そういったところからの取材対応といった形の情報発信の仕事が中心になっております。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 今の部長のお話の中にあるとおりでありまして、どちらかというとデスクワークで終わってしまいそうな、そういう作業が大半を占めているというような印象を受けます。大切なのは、現場に足を運ぶ、いろんな現場の声を聞きながら、どういう新たな戦略を打てるかということが一番大事、私はそう思っています。 民間の力を活用したとか、パートナーシップというのは聞こえはいいんだけれども、しかし、三位一体改革の行財政改革の中で、本当に縮小していいものと、今こそ力を入れていかなきゃいけないものとのこのすみ分けはしっかりとやっていかなきゃいけない。特に私は、観光振興は、そういう意味では、唯一、光を当てて、産業興しをやっていく必要があるんではないか。 企業誘致は、もちろん、広瀬知事就任以来、飛躍的な伸びを示していますけれども、やはり、これも経済の波に大きく揺さぶられやすい。だとすれば、地に足ついた地場産業としての観光振興というところの揺るぎない力を蓄えていくという、その視点での政策をぜひこれから続けていただければありがたいというふうに思っているところであります。 ちなみに、熊本県は、熊本観光連盟というのを持っていまして、その組織の中に、何と県の職員が兼務で十名派遣されている。十人です。熊本県の、後で言いますが、福岡事務所も、実は、県の職員が二人に、あと、熊本県下の市町村から、やる気のある、観光拠点を持っている市町村から、自治体から数名の職員が派遣をされて、一緒になって観光戦略を打っているという非常に前向きな戦いをやっている。これはもちろん、熊本新幹線の問題もあるんでしょうが、それだけではなくて、長崎も同じようなことをやっている。そういうことをやはりしっかりと、他の県の動向なり知恵をしっかりとすくい取りながらやっていく必要があるんではないかというふうに私は思っています。 特に長崎県は、観光と物産、そして企業誘致、三点セットで取り組んでいる。民間のスペシャリストを登用して、リクルートしてやっているという、そういった、私たちも油断をして見てなかったすきにすばらしい観光戦略が展開されているという、そういう印象を受けました。 大分県はこれまで、時代の潮流を先進的にとらえてきた県であるというふうに私も自負をしておりましたけれども、どうも最近、こうやって横の連絡というか、情報交流をやってみると、うん、これ、かなり弱体化しているなというのを改めて感じるわけであります。 行政機能を横断化するということで観光・地域振興局を立ち上げ、ツーリズムおおいたというまた特異な民間活力を引き出そうというこの戦略も、当時は確かに先進性があったんでありますが、その成果というところで検証してみるときに、やはり全国の注目を集めたほどの成果が今出ているのかということ、ここをしっかりと検証していく必要がある、私はそう思っております。 特に、きのうも商工会の皆さん方とお話をしていく中で、私も前から気になっておりましたけれども、観光、物産という非常に大きな力を発信できるセクションが、この行財政改革の中で、いつの間にか、あれ、県の職員が引き揚げさせられたんですか、いるんですか。いるとすれば何人ぐらいいるんだろうか。 熊本みたいに、例えば、十人が出向して、観光と物産協会、とにかく立ち上げていって、物も売るぞ、観光のPRもするぞというような体制と同じようなものが立ち上がっているんだろうか。 このうち、東京でちょっと明治屋さんあたりを含めてずっと回ってみましたときに、以前は、もちろん一村一品もありましたけれども、大分県の観光、物産協会というのはかなり活発な動きをしていましたけれども、最近見えませんねというご指摘をいただきましたが、そのあたりの実態はどうなんでしょう。 ○近藤和義副議長 佐藤企画振興部長。 ◎佐藤健企画振興部長 先ほど、職員、局長と一般職員三人いますと申し上げましたけれども、そのほかに、実は、県から出向一名、それから日田市からの職員も一名、ツーリズムおおいたに来てやっております。 物産につきまして、彼らが売り込みをしているということは、今、直接はやっておりませんけれども、先ほどデスクワークに終始しているのではないかというお話がありましたが、そんなことはありませんで、地域の観光協会に出向きまして、一緒に観光商品の造成でありますとか、PRをどのようにするかといった戦略を、まさに歩き回って立てているわけで、むしろ、ツーリズムおおいたに座っている職員が少ないという苦情が、連絡してもいないじゃないかという苦情が来るくらい地域に出ているわけであります。 そういった中で、今、各地域観光協会の中で造成をした着地型のミニツアーといったものができ上がってまいりまして、これがPRされ、また、JRのキャンペーンの中でも商品として取り上げられるという動きになっているわけでありまして、そういった形での民の力を使った、あるいは地域観光協会と現場と連携したという動きで、今、ツーリズムおおいたも活動しているということでございます。 ○近藤和義副議長 米田商工労働部長。 ◎米田健三商工労働部長 今、物産協会の方についてもお尋ねがあったかと思いますので、お答えさせていただきます。 行財政改革によりまして、平成十七年度から大分県物産協会に対する県職員の派遣や補助委託事業は廃止になりました。けれども、その後も引き続き緊密な連携のもとに、一体となって県産品の販路開拓、拡大に取り組んでおります。 日ごろからの県産品や生産者の情報交換等はもとより、県主導でイオン九州やイトーヨーカ堂と連携して開催している大分フェアでは、出店商品を決める事前商談会の段階から大分県物産協会が参加いたしまして、出店商品や実演、試食販売業者の調整等、一緒になって行っているということでございます。 大分県物産協会と県とは、それぞれ足りないものをお互い補い合うといった自立した良好な関係が構築されていると考えておりますし、また、物産協会の実績を見ましても、昨年、十九年度だけでも全国で三十五の物産展に参加しておりまして、主催するものだけでも相当な数がございます。東京、それから関西、福岡、いろんなところで物産展をやっておりまして、合計日数二百二十二日、三百三十九の業者が参加して物産展等を行っております。 そういったことで、物産協会を通じたいろんな物産販売の実績も、平成十九年度は二億五千六百万と、非常に前年度よりも多くなっているというふうに、活発な活動をしていると考えております。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 実は、熊本県の物産協会というのは、県下五百社が参加をして、本当にすばらしい展開をされている。このあたりの、いわゆる実効性のある組織としてのあり方ということをぜひぜひ再検討していただいて、やらなきゃいけないこと、ここ、非常に、今、入り口は簡単なんだけれども、出口が全部、流通販路開拓、ほかの場面もそうですけれども、大きな課題になっていますので、ぜひ、もっともっと深く広く研究していただきたいというふうに提案しておきます。 時間が余りありませんので、ちょっと足早に行きますが、実は私たち観光議員連盟でアジア戦略について研修をしてまいりました。大韓航空や韓国の交通公社のトップの皆さん方ともお会いをいたしましたけれども、やっぱり、別府、大分だけではなくて、知られざる観光地への関心度というのが非常に高いというふうに思っています。 その役割は、やはり私は、福岡事務所あたり、それから大阪事務所、それぞれの県の事務所が、もっともっと働きやすくて仕事がしやすいような人員配置とか、使命感を持ってやっていただくことが大切ではないかと感じましたので、このあたりにつきましても、実際の効果がどうなっているか、お聞かせをいただければと思うんです。 ○近藤和義副議長 佐藤企画振興部長。 ◎佐藤健企画振興部長 福岡事務所の動きについて中心にお答えいたしますが、本県の宿泊旅行者の三割を福岡県が占めるということでありまして、その三割の拡大をねらって活動する福岡事務所の活躍というのは非常に重要でございます。 今、具体的には、旅行エージェント、あるいは流通、マスコミの各社を小まめに回る、足で稼ぐということで、情報収集やしゅんの大分情報の提供ということでやっておるわけであります。 その成果といたしまして、例えば、大分向けの旅行商品をエージェントと一緒になって企画をいたしまして、ことしは既に三十本以上のバスツアーを催行したという実績を上げたものもございます。 また、ことし九月には、天神の福岡市役所前の広場で大分県の観光フェアを実施いたしまして、二日間で八万五千人の来場者を集めたわけですが、これは、ことしから福岡市が同広場を無料で提供する、貸し出すというような情報を福岡事務所がいち早くキャッチをして、その利用第一号として実現をしたというものであります。 物産の面でも、ことしから大手量販店で木で熟したトマトというのを売ろうということで、「秋味トマト」の販売方法等を福岡事務所と量販店がやりとりをする中で売り出しにこぎつけたというようなことでございます。 このようなことで、情報発信、企画立案、調整といったことを福岡事務所が前線基地として担っているというふうに考えております。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 ぜひぜひ、本当にすそ野の広い作業でありますが、頑張っていただきたいというふうに思います。 それから、観光情報の発信ということでの話でありますが、痛切に私、最近感じているのは、やっぱりインターネットの情報発信力というのがいかに高いかという、このあたり、もう一回見直す必要があるというふうに思いますし、大分県観光、もう皆さんご案内のとおり、今、「パノラマ写真で見る大分県の観光」という、これは佐伯の志賀さんという方が、もうほとんどボランティアみたいにやっている。一万数千点の大分県下各地の観光ポイントを載せておられる。全部自費でやっておられる。 市町村によっては、これ、リンクを拒否しているというか、してないようなところもあったりで、こういう作業について、一度、私提案したことがあると思うんですけれども、物すごく貢献度が高い。ぜひうまく活用していただきたいというふうに思います。 それから、先般の出前県議会の中でも生産者が言っておりました。例えば、日田のアユの魚醤をつくっている「まるはら」さんなんかは、すばらしいものができたんだけれども、国内だけではなくて、外国にどんどんどんどん売り出したい、出していきたい。そういうときにインターネットを活用してやっていきたいんだけれども、県の方に、総合的なそういう戦略を組める、作戦を練ってほしいという声も切実でありますので、ぜひこの点についてもご検討いただきたいというふうに思います。 それでは、時間の配分もございますので、次に移らせていただきます。 人材育成というテーマでの話をさせていただきます。 観光は総合力だという話があります。その中で、実は私、八年前に佐渡島に行きました。今、佐渡島、十カ町村が一緒になって、一島一市になっております。ところが、観光客数は、一時、ピークのときに百三十万人あったんだけれども、七、八年前に八十万人まで落ちて、今、何と六十万人にまで落ちている。佐渡の観光が危ないという危機的状況になっている。 こういうことを受けて、実は、先般、人間国宝の生野祥雲斎先生のところの生家であります竹工芸の生野徳三さんと話しておりましたら、生野徳三さんが非常に、それこそ危機感を持って私に一枚のパンフレットを渡してくれました。これがそうであります。伝統文化学科ということで、実は佐渡に、佐渡の伝統文化と環境福祉の専門学校というのができています。これは、新潟県にあるNSGという会社がつくり上げた専門学校なんでありますけれども、佐渡といえば、日蓮聖人も流されている、世阿弥も流されている、非常に日本の文化なり、歴史、風土が縮小、煮詰められたような土地なんでありますが、そこに、日本古来の陶芸だとか竹工芸の伝統文化を佐渡で発信しよう、育てていこうという専門学校が立ち上がっているんでありますが、これを見て、本当にすばらしいというふうに思いました。 学校への生徒の誘致、札幌、東京、名古屋初め、全国の主要都市で説明会をやっている。毎月、現地佐渡で、佐渡ワンデイ学校説明会というのも積極的にやっている。さらに、佐渡一泊二日体験ツアーということで、この学校のおもしろみを紹介するというようなことも観光戦略にひっかけてやっている。 私、これ、物すごい総合戦略だと思うんです。こういうことがなされているということを、皆さん方ご存じかもしれませんが、あえて申し上げたい。 その中に、ちょっと悲しかったというか、驚いたのは、大分県で育った竹工芸士の河野さんという方が先生になって、その学校に就職をしている。すごくもったいないというか、もったいないと言うと失礼だけれども、何でこういう受け皿を、せっかく技術者が育っている、竹といえば大分、別府だ。最近は、例えば、竹明かりということで臼杵もやっている、竹田、日田、最近は宇佐もやっていますか。竹明かりのそういうイベントもやっている。そういうことの連鎖というか、企画の掛け算がこういうものに束ねられるという戦略があってしかるべきではないかという思いがするんです。 聞いてみると、廃校になっているところを活用して、新潟県が佐渡市に百年間無利子でこの施設を提供して、そして、そういう技術者を育てるとか、一人の人間が行くと、その一人の人間によって佐渡の伝統文化がそこで生まれるという、こういうおもしろさを導入している。こういうことができなかったのか、この点についての思い、いかがでしょうか、お尋ねしたいと思います。 ○近藤和義副議長 米田商工労働部長。 ◎米田健三商工労働部長 お答えいたします。 佐渡の専門学校、先生ご指摘のものにつきましては、私もこの機会にいろいろ勉強させていただきました。取り組みは、今年度、学校としては始まったばかりのようでございますけれども、非常にたくさんの学校を擁する立派な企業グループが、民間ならではの思い切った戦略により学生の確保を行っておられるということで、伝統工芸を文化として次代へ継ぐ一つの試みとしては非常に興味深いものかなと思った次第です。 また、佐渡の方も、竹細工というのがもともとどれくらい根っこにあったかというと、金山の砂金をとる竹かご、そういったものしかなかったところを、日本一の竹細工の名門である別府から、このようにうちの竹工芸・訓練支援センターの卒業生である方を講師に招いて、新しい文化として昇華しよう、伝統工芸として立ち上げよう、そういった試みを意欲的にされているというのも大変興味深いと思った次第でございます。 私どもの県の方でございますけれども、竹工芸・訓練支援センターの方は、竹工芸技術を習得できる全国唯一の公的機関として、毎年、定員の二倍近い入校希望者が全国各地から集まっておりまして、技術の習得に励んでいるところでございます。その結果、県内には三百名を超える竹工芸家や職人、約八十社の製造業者が集積している、そういった成果が出ているわけでございます。 また、別府竹細工は、法律により伝統的工芸品として指定されました全国四カ所の竹細工の中でも、生産シェアは約六割もございまして、竹工芸の一大拠点として全国に知られておるわけでございます。 しかし、こうした状況にいつまでも安住していられるわけではございませんので、人材育成ということで一生懸命頑張っておりまして、県では、センターでの技術者育成にとどまらず、竹製品協同組合の協力を得ながら、伝統工芸士によるマンツーマン指導、それから若手技術者の一層のスキルアップといったことを図っております。また、伝統芸能など幅広い分野との融合を図ることで新たな魅力を引き出し、さらなる消費拡大の可能性を探っていきたい、そういった戦略で臨んでいるところでございます。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 ぜひ積極的な取り組みを期待申し上げておきます。 さて、広瀬知事にお伺いします。 実は、大分県、二十年ばかり前から人材育成ということで、地域づくり塾等を初めとして、いろんなネットワークづくり、また、人材育成をやっていて、それが行政の皆さん方との交流ということで非常に大きな成果も上げている。知事公舎におかれての交流会あたりも私はお聞きしていますが、こういう作業をもう一回、再構築していただきたいという声が強うございます。一時は募集し過ぎて底をついたということがあるんですが、もう七、八年たっていますから、再度やってみると、今の若い人たちは意欲を持って集まってくれるんじゃないかと思いますが、この点について知事の考えをお聞かせ願いたいと思います。 ○近藤和義副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 いろんな県内の人々とお話をさせていただいております。また、ただいまは、首藤議員から人づくりについてのご質問がございました。この点について、私は二つ大事なことがあると思っています。 一つは、やはりしっかりと人材を育てていくということでございまして、これまでも地域づくり塾、あるいは豊の国づくり塾、あるいはまた、商人塾、あるいは漁業の関係でも農業の関係でもいろいろ人材養成のための努力をしてまいりました。こういう人たちにお目にかかるたびに、やはり、人材が地域をつくっているんだということをしみじみ思うわけでございます。したがって、この努力は引き続きやっていかなきゃならぬ、こう思っているところでございます。 特に、お話のありました豊の国づくり塾につきましては、かなり、みんな塾で勉強して、新たに入る人もいないんじゃないかということでしばらく休止をしておりましたけれども、いや、またやってくれということであれば喜んで再開をしたいというふうに思っているところでございます。あらゆる分野で人づくりを進めていかなきゃならぬというふうに思っております。 もう一つ大事なことは、そういう人材をうまくコーディネートして地域全体として売り込んでいくということでございまして、大分県には、もちろん、地域づくりに非常に熱心にやっておられる方もおられます。農林漁業で、一生懸命、地域のために活躍しておられる方もおられます。そしてまた、芸術家、あるいは工芸の分野、竹のお話ございましたけれども、竹や木工、あるいは陶芸で一生懸命やっておられる方もおられます。別府アルゲリッチ音楽祭、近代的なアートの世界で花開いている分野もあるわけでございます。こういうものをうまくコーディネートして地域全体で売り込んでいくということも大事なことでございまして、この辺はやはり役所としても相当力を入れてやっていかなきゃならぬことではないか、こう思っております。 この人づくりとそれをうまくコーディネートして売り込む、この二つをこれから大いにやっていきたいというふうに思っているところでございます。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいと思います。 行政組織に求められる人材育成、また私は、スペシャリスト、特に農業普及指導員の育成というのが非常に重要な課題だというふうに思っていますが、現状のことをあわせて、どういうふうな取り組みをされているか、また、将来展望についてお聞かせ願いたいと思います。 ○近藤和義副議長 高山農林水産部長。 ◎高山精二農林水産部長 お答えいたします。 県下に現在、百九十九名の普及指導員を配置しております。 地区別には、農業産出額、あるいは認定農業者数などに応じまして、各局に、東部では三十一名、中部では三十名、南部では十四名、豊肥には三十六名、西部には二十八名、北部には四十名、また、県下全域を担当する広域普及指導員二十名を配置しております。 分野別では、米、麦担当二十六名初め、各、野菜、果樹、花卉、お茶、畜産、こういった担当をそれぞれ二十名前後分担させております。また、違った観点から、集落営農担当、あるいは企画・担い手担当、流通担当、こういった担当も配置しております。 今後とも、農家の高度な技術ニーズに対応するために、品目別の新しい技術研修や国が実施するスペシャリスト機能強化研修などを通しまして普及指導員の技術力の向上に努めるとともに、試験研究機関と連携いたしまして、その研究成果をスピーディーに農家に普及してまいりたいというふうに考えております。 また、産地の生産技術力を強化いたしまして、県域での生産拡大を図るために、先ほど言いました広域での普及指導員をリーダーとするプロジェクトチームも編成いたしまして、個人だけではなく、組織でも対応しているところでございます。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 行政組織における一番重要な人材育成の場面であろうというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 今お話が出ました試験研究機関の中で、ちょっと知事さんにぜひ聞いておきたいんですが、畜産試験場の存続が地域の課題として少し不安材料になっているようでありますが、この点は、私は決してそういうことはない、存続してくれるというふうに思っていますが、お答えいただければありがたいんですが。 ○近藤和義副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 どうもご心配いただき、ありがとうございます。 畜産試験場の役割、今、議員からお話がございましたように、今の時期、大変大事な役割を担ってもらっておりますし、期待も大きいと思っております。 特に、かねてから種雄牛の造成というのが大分県は足りない、非常に待たれておりまして、この点についても大いに研究をしてもらわなきゃいかぬ。それから、これまでの養豚の大きな課題でございました豚の凍結精液について、これも畜産試験場でいい研究成果を上げております。これを今度は実用化するための試験もいろいろやらなきゃいかぬ。飼料が大変高騰しておりますから、飼料米の利用ができるような技術開発もやらなきゃいかぬというようなことで、課題は大変大きく、また、期待も大きいことは事実でございます。 ただし、この畜産試験場につきましては、そういう期待が大きい反面、現場ニーズにまことに鈍感である、あるいはまた、スピード感が足りない、あるいはまた、そういうこともあって所期の成果が出ていないというような厳しい批判があることも事実でございまして、この点、しっかり対応していかないと、もう存立の意義すら問われかねないことになるというふうに私は危機感を持っているわけでございます。 そういった意味で、とにかく現場重視、そしてスピード感を持って一つ一つ成果を上げていくというための組織のあり方、仕事のやり方、あらゆる面で大改革をしてもらわなきゃいかぬということで、今、農林水産部の方に宿題を出しているところでございまして、それをぜひ達成してもらいたい。それができなければ存立すら問われることになるというふうに考えて、危機感を持って今待っているところでございます。 ○近藤和義副議長 首藤勝次君。 ◆首藤勝次議員 畜産試験センターは一生懸命に頑張ろうという気概に満ちておりますので、ぜひ前向きな検討をよろしくお願いしたいと思います。 もう時間がありません。最後に、気になっておりますが、原油高騰対策として、大分県は全国に先駆けて予算をつけていただきました。この現状、今どういうふうな活用をされているのか、その現場論、少し数字を含めてお知らせいただきたい。 ○近藤和義副議長 高山農林水産部長。 ◎高山精二農林水産部長 私の方から農林水産の関係についてお答えいたします。 八月の補正予算をお認めいただきまして、最小限に影響を食いとめるといったことで対応してまいりました。 その中で、園芸関係では、RPF加温器、それからヒートポンプの整備、こういったものを随分やっていまして、予算の方の執行も順調に進んでいるというふうに考えております。 それから、数字ですけれども、今時点で導入した機械の総数は二百六台でございます。それから、融資の方でございますけれども、融資案件は全部で七十六件でございます。この中身は、既往資金の借りかえ、それから飼料高騰分に対する資金融資、こういったものでございます。台数では二百六台、融資件数は七十六件となっております。 それから、水産関係では、県の方で国に先駆けて対応を打ちましたけれども、十月以降につきましては国の事業を活用できるというふうになっておりますので、ご報告しておきます。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 米田商工労働部長。 ◎米田健三商工労働部長 中小企業金融の方についてお答えします。 県におきましては、原油等価格の上昇分を価格に転嫁できず収益が圧迫されている中小企業の資金繰り改善を図るため、本年八月に原油価格等高騰対策といたしまして中小企業活性化資金の要件緩和を行いました。また、当該資金の需要増に対応できるよう、八月補正予算で三十億円の新規融資枠を確保したところでございます。 当該資金では、中小企業者の声を踏まえ、借りかえに対応できるよう融資限度額を三千五百万円から六千万円に引き上げましたが、十二月三日現在、信用保証協会の保証承諾による実績は、原油価格等高騰対策として用意した六十億円に対しまして、百九十二件、五十七億三千三百万円となっておりまして、多くの中小企業の方に利用されております。 また、業種別に見ましても、運送業、建設業、製造業や卸小売業など幅広い業種の方に利用されております。 なお、中小企業活性化資金については、現在、計二百十億円の新規融資枠を確保しておりますけれども、十一月の大幅な要件緩和による利用増や年末の資金需要増を勘案いたしますと、さらに三十億円の融資枠拡大が必要と考えまして、今回の補正予算において必要経費を計上しているところでございます。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 以上で首藤勝次君の質問及び答弁は終わりました。元吉俊博君。  〔元吉議員登壇〕(拍手) ◆元吉俊博議員 皆さん、おはようございます。七番、自由民主党の元吉俊博でございます。 平成二十年第四回定例会に当たり質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。 早速、三項目にわたり、分割質問をさせていただきます。執行部の皆さんには、答弁の方、よろしくお願い申し上げます。 まず第一点、合併後の農協の状況についてお伺いします。 ご案内のとおり、農協の合併に当たっては、さまざまな課題に直面しながらも、県内二十三JAのうち十六JAの参加によって、「JAおおいた」として六月に誕生したところであります。 県域農協は、九州では佐賀県に次いで二番目、全国で五番目であり、その期待にこたえるには安定的な経営基盤を確立することが急務でありますが、県としても、経営改善計画に沿って検証、指導を行っていく必要があると思います。また、先例の四農協の取り組み状況等の実績比較、検証も大切であると考えます。 そこで伺いますが、十カ年の経営改善計画にある具体的な目標はどうであり、県としてどのように評価しているのか、また、先例の四農協の合併メリットの実績はどうなっているのか、あわせてお伺いします。 発足から半年余りで、計画の実効性を検証するにはいささか性急とは思いますが、農業振興のパートナーとして位置づける「JAおおいた」の経営健全化に向け、県はどのように指導されてきたのか、お伺いします。 また、組合員が最も期待している点は、生産資材をより安く、生産した農畜産物をいかに高く売ってくれるかであり、実感できるメリットの還元であります。特に販売面では、県域エリアの県産ブランドを確立していくとともに、産地、品目ごとの特徴や強みを生かして価格交渉力を高めていくことが肝要であろうと思います。 ついては、「JAおおいた」に対する農家組合員の評価がどのように県に届いているのか、あわせて、組合員が実感できるメリットとしての具体例をお聞かせください。 次に、食品に対する安全、安心、燃油、飼料問題等取り巻く環境が大きく変化している中で、県では、マーケット起点の商品づくり、力強い経営体の育成確保を基本として「アクションプラン二〇〇八」を六月に定め、低迷する本県の農林水産業の再生に向け、どう取り組んでいくか、具体的な目標値を示しています。 大きな目標としては、農林水産業の産出額を平成二十二年に二千億円にするということを掲げています。 目標の実現の第一歩として、「JAおおいた」では、多様化する流通に対応するため、大分市の卸売会社や県と協力し、七月にテストカンパニー「The・おおいたブランド販売協議会」を発足させ、契約取引の実施を試みています。 こうした契約取引といった市場外流通は全国的にも拡大傾向にありますが、「JAおおいた」や県の本来の戦略としてはロットを確保することで市場での価格形成力を目指そうとしているはずでありますが、今回の契約取引の意図するところと市場戦略との整合性をお聞かせください。 あわせて、協議会の今後の取り組みについてもお伺いします。 次に、米の生産についてお伺いします。 本年の県内水稲作況指数は、一〇三の「やや良」と六年ぶりに一〇〇を超える見通しとなっていますが、平成十九年産から品目横断的経営安定対策が実施されるとともに、米政策改革推進対策については、十九年産から、従来の国による生産調整をやめ、農業者、農業団体を主体とした需給調整システムに移行しようとしています。 こうした取り組みを推進するため、JA大分中央会や県を中心に組織する大分県水田農業改革推進協議会では、需要に応じた米の計画的生産を初めとする実施方針を策定し、生産調整など水田農業の構造改革を図ることとしています。 そこで、米の計画的生産に当たっては、まず、売れる米づくりを行っていかなければなりません。そのためには、特別栽培米など特色のある米の生産を図る必要があります。 売れる米をどのようなものと考え、それをどのような戦略でブランド米として育て、販売していこうとしているのか、お伺いします。 他方、穀物相場については、夏以降、下落しているとはいいながらも、二十年七-九月期の一トン当たりの配合飼料価格は六万四千七百五十円となっており、平成十八年の同時期の四万二千六百十円から一・五倍以上の上昇となり、価格補てん後の生産者の実質負担額でも一万五千円近く上昇するなど畜産農家は厳しい状況に直面しているところで、飼料米の増産に対する畜産農家の期待も大きいと考えます。 特色ある米づくりや飼料米の増産については、従来からの主食用の米、麦を中心とした、いわゆる土地利用型農業における生産調整といった位置づけでは、その普及や増産はなかなか進まないのではないでしょうか。 ついては、こうしたものとのすみ分けをきちんと行った上で産地の育成を図る必要があると考えますが、本県の米生産の推進についての見解をお伺いします。  〔元吉議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○近藤和義副議長 ただいまの元吉俊博君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 ただいま元吉議員から農業の件についてご質問を賜りました。一つは、農協合併後の農協の活動について、そしてまた、もう一つは、米の生産についてのご質問でございました。まず私の方からお答えを申し上げたいと思います。 初めに、生産者の皆さん、そして県民の皆さんに大変期待をいただいて県域の農協ができ上がったわけでございますけれども、その後の活動についてご質問でございました。 大変に重要なことでございまして、私どももこの点はよく、常に検証しながら、改善すべき点を改善しながらやっていかなきゃならぬというふうに思っているところでございます。 その中で、農産物の流通についてのお話でございます。 「アクションプラン二〇〇八」に掲げました平成二十二年農業産出額は千四百億円でございまして、これを達成するためには、生産面だけではなくて、流通の構造改革を進めるということがやはり重要であると考えております。 今後の流通のあり方でございますけれども、議員ご指摘のロットの確保による市場での有利販売体制の確立も必要なことですけれども、あわせて、急速に拡大する市場外における量販店等実需者のさまざまな要求にスピーディーに対応できる体制の確立も重要であるというふうに考えております。 市場に対応できる体制をつくるんだということももちろん大事でございますけれども、やはり、現実として市場外における取引も拡大してきておりますので、これへの対応体制も大事だろうというふうに考えているところでございます。 そのため、私どもといたしましては三つの対策に取り組んでいるところでございます。 流通対策の第一点は、マーケターによる大消費地での販路の開拓、あるいは販売をにらんだ新たな商品開発や産地へのマーケット情報の提供ということでございます。販路の開拓、販売をにらんだ新たな商品の開発、そして産地へのマーケット情報の提供ということであろうかと思っています。 マーケット起点のものづくりによりましてもうかる農業を実現していくというためには、消費者の嗜好の変化に敏感な実需者の情報を集めまして、求められるものを提案し、そして新たな取引の開拓や市場における有利販売に結びつけるということが重要でございます。 昨年度から東京、大阪、福岡にマーケターを配置いたしまして販路拡大などの活動を行った結果、これまでほとんど果汁原料でしか使っておりませんでした黄色く熟れたカボスを「鍋用ポン酢鍋代官」として商品化したり、あるいは、大手量販店と連携しまして、完熟させて収穫した「赤採りトマト」や「秋味トマト」を新商品として販売するなどの成果を上げているところであります。 二番目が県域での生産、流通、販売体制の整備促進でございます。 市場において有利販売を進めるためには、ロットを拡大するとともに、周年で安定供給を行うことが重要だ、かねがね申し上げてきたとおりでございます。 シロネギでは、玖珠町、九重町に豊後高田市や竹田市、日田市の企業的経営体が加わりまして、大同団結して「大分高原白ねぎ」として福岡市場に集中出荷しておりまして、十一月の福岡市場における大分県産シロネギのシェアを八九%にまで大幅にふやしました。そして、夏秋期の有利販売を実現したところでございます。 さらに、ニラ、ピーマンなども産地規模を拡大しまして、生産部会の統一やコールドチェーン体制を整備することによりまして、コネギにおける「大分味一ねぎ」、シロネギにおける「大分高原白ねぎ」と同様に、大分ブランドとして確立を進めることにしているところでございます。 そして、三番目でございますけれども、量販店などの実需者と直接取引を拡大する仕組みをつくることでございます。 市場取引だけでいければ、それが一番いいわけでございますけれども、やはりそれとは別に直接取引が拡大しておりますので、それに対応する体制をつくるということであります。そのためには、実需者を探して、きめ細かく市場を開拓したり、あるいは実需者の多様なニーズに迅速にこたえることが必要なために、「The・おおいたブランド販売協議会」を設立しまして、中間マージンを削減できる直接取引に取り組んでいるところでございます。 これまで、郵便局株式会社と提携したカボスやナシの「豊里」のカタログ販売、あるいは外食産業へのシロネギのばら詰め出荷など、新しい契約取引で成果を上げているところでございます。 このような取り組みを総合的かつスピーディーに実施することによりまして農産物の流通構造を改革し、農業産出額の目標達成と農家手取りの上昇ができるというふうに考えているところでございます。 次に、米の生産についてのご質問もございました。 米は、平成十八年産出額が二百四十三億円と農業全体の約二割を占めておりまして、本県農業のやはり基幹作物の一つであります。 まず、売れる米についてでございますけれども、消費者の求める安全、安心なものづくりを柱にいたしまして、減農薬、減化学肥料の「e-naおおいた米」、あるいはかけ干し米及び低たんぱく米といったこだわりの米づくりが重要であります。例えば、玖珠町の「ひとめぼれ」は、堆肥による土づくりとかけ干しによる天然乾燥を進めた結果、日本穀物検定協会から「特A」の評価をいただいているところでございます。 県産米のブランド化や販売促進のため、本年度導入しました「にこまる」の統一パッケージの作成などを支援するとともに、生産者と一体となって、竹田地域は県内の量販店で、玖珠地域は福岡市内の量販店で試食宣伝などを行っているところでございます。 なお、売れる米づくりを進める観点から、県といたしましては、米の生産調整に当たりまして、その市町村配分において、こだわりの米づくりの販売実績なども反映するということにしているところでございます。そういうものをつくるところは生産調整の率を少なくするというようなこともやっているところでございます。 次に、飼料米についてでございますけれども、飼料米の生産は生産基盤の整った水田を最大限活用することが効果的であると考えております。そうすることによりまして、機械や施設、技術を有効に利用でき、農家所得の向上や水田の荒廃防止、あるいは集落の活性化にも大いに役立つというふうに考えております。 今年度、実証圃で収穫された「クサホナミ」などの飼料米三百二十トンが養鶏農家で使われまして、生産された卵は「豊の米卵」のネーミングで販売され、安全、安心な卵として消費者から評価されているところでございます。 来年度創設が予定されております国の交付金制度の積極的活用によりまして、多収米品種の導入や低コスト化を図って、飼料米の生産拡大を進めていきたいというふうに考えているところでございます。 私からは以上でございますが、その他のご質問については関係部長から答弁させていただきます。 ○近藤和義副議長 高山農林水産部長。 ◎高山精二農林水産部長 三点について私の方からお答え申し上げます。 まず、「JAおおいた」の経営改善計画についてでございます。 大分県農協では、JAグループから支援を受けるため、十カ年の経営改善計画である再発防止策を策定しております。 主な具体的目標といたしまして、経営の健全性を示す自己資本比率は平成二十九年度一〇%以上、不良債権比率は二十七年度五%以下、事業利益は二十九年度に十六億円としており、財務の健全性を維持するためには適切な水準と考えております。 次に、四県域農協についてでございますが、各農協とも基幹作物の生産部会が統一されており、香川県農協のJA香川米の早期契約販売や沖縄県農協の農産物直売所の運営による有利販売など合併農協のメリットを発揮しているところでございます。 県といたしましては、大分県農協が合併メリットを発揮して、購買、販売の面でどのような組合員サービスが図られたのかを具体的に検証してまいります。 次に、経営の健全化についてでございます。 大分県農協は、組合員の期待に沿うよう主体的に改革に取り組むことが肝要でございます。 県としても、大分県農協の改革を後押しするため、有識者によるフォローアップ委員会を六月十二日に立ち上げました。十月一日には、銘柄統一による県域ブランド作物の確立、手数料率の早期の統一、一元仕入れによる価格の引き下げなどを中間提言したところでございます。さらに、年内には、役職員の意識改革、組織のスリム化、人材の育成確保などについても提言を行います。 今後とも、大分県農協が提言に沿って、できるだけ早く改革を実現するよう強く指導してまいります。 次に、「JAおおいた」の評価についてでございます。 農家組合員からは、「合併したのに手数料率が地域本部により異なる」との声や「農薬はホームセンターの方が安い」などの声が寄せられております。 大分県農協では、これらの要望にこたえるため、肥料の手数料率を本年七月に統一し、約一%引き下げるとともに、秋まきの肥料につきましては、値上げ前の六月の早期購入により価格の抑制を行っております。また、農薬についても、十月より仕入れの一元化による価格の低減を図っているところです。 また、農産物の生産、販売面におきましても、例えば「大分味一ねぎ」では、七月に生産部会が統一され、来年三月末には宇佐市に広域集出荷場が整備されることにより、農家組合員にとっては生産拡大と有利販売が可能となります。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 元吉俊博君。 ◆元吉俊博議員 大変丁寧な答弁いただきまして、ありがとうございました。 知事さんがいろいろご説明いただいたんですが、本当にここ一、二年、知事さん、副知事さん中心に、また、農政部の皆さん中心に、具体的に農業の再生に向けてのステップアップがなされてきているというような気がいたしておりまして、本当にありがたいというふうに思っておりますし、カボスの黄色の熟れたやつがなかなか商品にならないということで、私もゴールデンカボスと名をつけて売り出したらどうでしょうかというようなことも言ってまいりました。本当に、これがまた商品として価値が出るということにつきまして、カボス農家の皆さん、大変期待をしているんで、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。 特色ある米づくりという部分につきまして、やはりしっかりとすみ分けをやらないと非常に難しいと思うんですが、佐賀に次ぐ大分県の穀倉地帯で米をどうするのか、ブランドをどうするのかということをやっぱり手がけていくということが農業再生の根底にあるというふうに思っております。 おいしい米というのは、土壌、水、あるいは温度差という共通点があるわけでございまして、そこに、うまい米のできるところ、あるいは一ランク落ちるかなというところがどうしてもある、これはもう仕方ないと思います。 ただ、本当にうまい米ができる、例えば、JAで言いますと、等級だけで、もう全部まぜくるというか、ブレンドして等級だけで決めるということを、本当に、味のある米を大分ブランド米というレッテルをつけて、やっぱりきちんとすみ分けすることによってブランド化ができるんじゃないかというふうに思いますので、そこ辺、何とか知恵を、またJAとともに出していただきたいと思いますし、また、どうしてもそういうブランド米に届かないという米については、多収穫米に向ける、あるいは加工米、飼料米に向けるなどすみ分けをやるということが米の再生につながるんではないかというふうな気がいたしております。ただ、非常に難しいとは思います。しかしながら、どこかに手を入れていただいて、花卉、野菜と同様に、そういった米の生産流通体制について、新たなもくろみをぜひ行っていただきたいというふうに思っております。 そういった意味で、今後のすみ分けについて少し再質問させていただきたい、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○近藤和義副議長 高山農林水産部長。 ◎高山精二農林水産部長 先生ご指摘のとおり、米につきましては、その地域の特性によって、土や水、温度差、こういったものでおいしいお米がとれやすいところ、あるいはそれが非常に難しいところがあろうかと思います。 例えば、こだわりの米がつくりやすいところについては地域のブランド力を強めていく、なかなか条件が厳しいところにつきましては、低コストで、しかも大規模な面積で集落営農でやっていただける、あるいは企業的な農家が何十ヘクタールも一緒に耕作することによって所得を上げるといった方策を今後考えていきたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、今後とも飼料米、加工用米の生産もあわせまして、その地域に合った米づくりについて、県の方ではきめ細かく推進してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 元吉俊博君。 ◆元吉俊博議員 ありがとうございました。 次に、地域の郵便局についてお伺いします。 年賀状の時期となってまいりましたが、郵政民営化が実現して、早いもので一年以上が経過いたしました。 ご案内のとおり、郵政民営化は、郵政公社を経て、平成十九年十月に実現したものでありますが、これにより、いわゆる郵政三事業は、郵便、貯金、簡易保険及び窓口ネットワークの四つの機能に分離し、日本郵政グループが発足いたしました。 経営の自主性、創造性及び効率性を高め、公正で自由な競争を促進し、その結果、多様で良質なサービスの提供を通じて国民の利便の向上を図るなどを目的として実施されたわけでございますけれども、改めて、この目的がどれくらい実現しているのかと思う方も少なくないというふうに思います。 まず、民営化を前に、地域の郵便局の多くでは、配送センターと無集配局への再編が実施され、人員削減も行われ、一部では郵便物の遅配が生じたり、簡易郵便局では、貯金、保険業務の取り扱いが廃止されたり、局自体が閉鎖されるというようなところも出ているというのが現状でございます。さらには、病院、大学、公的機関などに設置されていた利用頻度の低いATMなどが撤去されるなど不採算部門の縮小、廃止が進み、また、郵便、貯金、保険といった業務ごとに分離されたためにワンストップサービスができない、地域密着であったサービスの低下が指摘されているところであります。 郵便事業については、全国一律の、いわゆるユニバーサルサービスの維持が法律の中に明記されておりますが、金融、保険事業については、一定の担保となる代理店契約の継続保証がないことや基金による赤字補てんも限界があることから、収益性の低い過疎地域、山間地域の郵便局のサービスが維持、存続できるか心配する声が聞かれる中で、全国の郵便局のおよそ七割は赤字と言われております。こうした局の閉鎖、不採算部門の縮小などの拡大が、このまま、今の現状では不可避と考えます。 郵政民営化法では、郵政民営化委員会において、三年ごとに経営状況及び国際金融市場の動向など社会情勢の変化を勘案し、民営化の進捗状況について総合的な見直しを行うとしているところでありますが、とりわけ、本県のように高齢化が進む周辺部や中山間地域において、県民に対し、地方の郵便局は、本業はもちろんですが、各家庭を訪れることによる他の有機的な機能は地域住民にとって大変多大な貢献があると思っております。 そこで、民営化後のサービス低下といった県民への影響についてお伺いします。 また、信頼性のある郵便局の資質から見ても、市町村の行政事務の一端を担う力は十分あると考えるわけでございますが、存続させるためにも、局の業務拡大の一環として、行政業務のアウトソーシングを局に重点的に進めていく施策を県として強く推し進めていただきたいと思うわけでございますが、その点の見解もお伺いいたしたいと思います。 直接、県政には関係ないんですけれども、実際、過疎地域、中山間地域の郵便局が、本当に今のままでは大多数がなくなるというような状況に陥る前に、ぜひ知事会でも取り上げていただいて、新たな存続の展望を開いていただければありがたいということで質問いたしましたので、よろしくお願い申し上げます。 ○近藤和義副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 大分県におきましては、簡易郵便局も含めますと約四百局の郵便局がございます。そのうちの半数以上が過疎地域に設置されておりまして、議員ご心配のように、民間会社としての採算性を考えた場合に、こういった条件不利地域にある郵便局が果たして存続していけるのか、あるいはサービス水準が維持できるのかという一抹の不安もあったわけでございます。しかし、従来のサービス水準の維持が法令で求められていることもありまして、現時点では、大規模な再編、統合などは行われないで今のところ済んでいるということでございます。 また、この一年、県内を回っておりますと、窓口での待ち時間が長くなったり、配送センターの集約化により遅配がふえたといった県民の声も、一部ではありますけれども、聞かれたところでございます。しかし、逆に、窓口での本人確認徹底による法令遵守の確保、あるいは効率性向上を新たなサービス創出につなげまして、例えば、市場を通さずに本県産のカボスやナシを九州全県の郵便局でカタログ販売するといった取り組みも始まっているところでございます。新しい試みもいろいろ出てきている、そこは私どもも評価をしているところでございます。 地域におきましては、郵便局は、申すまでもありませんけれども、大事な機関の一つでありますので、今後とも県民の声に耳を傾けながら、統廃合の実情や極端なサービス低下がないかどうか、地域に根差す郵便局の姿を注意深く見守っていきたいというふうに考えているところでございます。 市町村行政サービスの委託につきましても、県では、県民の安全、安心の向上と合併後の旧町村部の不安の払拭につなげるために、昨年度、高齢者の生活状況の確認などで日本郵政グループと全県的な協定ができないか、各市町村と調査検討を行ったところでございます。結果として、新会社への移行期にあったことなどから全県的な新たな取り組みには至っておりませんけれども、従来から取り組んできた業務委託による郵便局窓口での住民票の写しなどの即時交付サービス等につきまして、県内五市町において継続しているところでございます。 ほかにも、市役所から遠い周辺地域における住民の利便性の向上につきましては、地域に根差す郵便局の持つネットワークの利用も一つの方法だというふうに考えておりますので、地元市町村と十分に連携をとりながら、住民サービスの向上にどういうふうに活用できるのか、先進的な事例なども研究していきたい、そして、ご指摘のように、利用できるところは利用させていただきたいというふうに考えているところでございます。 ○近藤和義副議長 元吉俊博君。 ◆元吉俊博議員 郵便局の一番大きな問題は、簡易保険、あるいは貯金の業務委託契約が、十年間は保証されていますけれども、十年過ぎると一方的に解約申し出により解除されるということになっておるというところが一番大きな問題かなと思っておりまして、ぜひこれは、ユニバーサルサービスの一環として継続をされるような何らかの措置を講じていただけるように、ぜひ知事会としても要求していただければありがたいというふうに思っておりますので、よろしく。 そこが一番、地方の、過疎の郵便局が残れるか残れないかの境だろうというふうに思っておりまして、今の現時点はまだあれなんですが、十年後に一気になくなるという可能性があるんではないかと大変心配しておりますので、ぜひともお力添えいただければありがたいというふうに思います。それは要望で結構です。 続きまして、次に教育改革についてお伺いします。 本年六月に発覚した大分県教員採用試験贈収賄事件は、本県教育史上、かつてない大きな汚点を残したと言っても過言ではないと思いますが、八月二十九日には調査結果報告書が提出され、その中には、不法、不当な行為の実態のほか、事件の原因と背景を整理した上で、今後の人事管理や組織等の見直しの改善策が盛り込まれています。 具体的には、試験のあり方、人事管理と組織の見直し、これら三つを大きな柱として、さらに具体的な細かな再発防止策を示しておるわけでございますが、このうち試験と組織の見直しには既に着手するなどスピード感を持って進められているように思いますが、人事管理の見直しについては、まだまだのような気がいたしております。 初めに、報告書に示された再発防止策についてお伺いします。 まず、教職員の人事評価については、現行の評価システムが評価者の主観による部分が多く、適正な評価が行われていないとして、評価に指導主事らを加えるとともに、能力、実績の評価を絶対評価から相対評価に改める新しいシステムを確立したいとしています。 そこで、相対評価となる新評価システムでは、客観的な評価基準、学校間の公平性の確保など課題があると思いますが、具体的な進め方についてお伺いします。 次に、人事についてお伺いします。 今回、贈収賄が発覚したのは、たまたま県南を中心とした地域ですが、私は、こうした狭い地域での色濃い身内意識が贈収賄事件の根底にあるような気がします。 まず、教職員の広域人事を実施することが改革の第一歩であると思いますが、所見をお伺いします。 また、以前、一般質問でも申しましたが、特に小学校教育のあり方に私は問題ありと感じております。同じ給料をもらって、義務制の中でも、中学校教員は大変苦労いたしております。人事に小学校畑、中学校畑というのがあるようですが、これはぜひとも全廃してもらいたい。中学生への指導の問題点を全教員が実体験すれば、大分県の教育は変わると思います。まさに、内部からの意識改革が始まると思います。 本来、子供の成長にとって一番大切な初等教育のあり方を立て直す、これが急務と考えますが、ご所見をお伺いします。 次に、教職員採用試験制度についてお伺いします。 教職員採用試験制度の見直しは、六月の事件発覚後、翌七月に実施した二〇〇九年採用試験から着手するなど、信頼回復に向けて全力で取り組んでまいりましたことに、まず敬意を表する次第であります。 教職員は、子供の成長に大きな影響を与えることは申すまでもございません。我が子が生涯の師として尊敬できるような先生にめぐり合ってほしいと思うのが、すべての保護者の願いではないでしょうか。単に勉強を教えるだけでなく、生徒の心をつかむような人に教員になってほしいと思います。 そこで、少し提案申し上げたいと思います。 私は、勉強だけの優等生でなく、単に優しいだけでなく、時には厳しく生徒に接するような人が教員になることを期待していますが、そうした人は社会性と人間力、精神的な強さを兼ね備えていると思います。 教員採用試験制度の見直しでは、二次試験の面接の回数が一回から二回にふえるなど、ペーパーテストでははかれない部分をもっと評価しようとする傾向が見てとれますので、そこは私も評価しますが、しかし、現行の試験制度では、一次試験をクリアしない限り、その人の社会的な活動や実績が評価されることはありません。 そこで、一次試験でも、ペーパーテストでははかれない、例えば、上下関係や規律の厳しいスポーツを学生時代からやり遂げてきた人や、スポーツ指導や人にはやれないような自己を犠牲にしてのボランティアをやり続けたなどの社会活動の評価や人物評価などを何らかの形で一次試験に大きく加点すべきではないかと思います。 そこで、教職員試験の一次試験でこうした社会活動の評価などをすることについての所見をお伺いします。 最後に、全国学力テストについてお伺いします。 昨年四月、文科省は、四十三年ぶりに小学校六年、中学三年の全児童生徒を対象に、全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストを実施し、本年四月には二回目の学力テストが実施されたところであります。 この全国学力テストは、抽出調査ではなく、全員を対象とした全数調査であることが最大の特徴です。導入の背景には、学校教育の現状や課題について十分に把握する必要性、義務教育の質を保証する仕組みの構築などの要請といったものがあります。 県教委は平成二十年度の全国学力テストの結果を分析していますが、小学生では、「かぜを予防する」という漢字を書く設問で、全国の正解率六三%に対し、本県は五一・一%、全国平均よりも一〇%以上悪く、無回答率も全国と比べて約七%高くなっています。また、中学生の数学では、データをもとに富士山の気温を求める方法を説明する問題が、全国的にも一二・五%と正解率は低かったようですが、本県はさらに低い九・〇%の正解率でありました。 知識を活用する応用問題の対策はさておき、読み書きそろばんに代表される漢字の読み書きや計算などの繰り返し学習が一層求められていると思います。 今後、こうした基礎的な学力の向上に向けた取り組みが各地でなされるものと期待してはおりますが、傾向や対策のための調査であれば抽出調査で十分なわけで、七十数億円の公費を費やして実施した全国学力テストが全数調査であることを考えると、調査結果を公開することで全国各地と比較できることにこそ大きな意味があると思います。 保護者は、自分の子供の通う学校の成績などには興味がない、児童生徒は、自分の学校がどの程度の位置にあるのか、どのような分野が強いのか弱いかなど知りたくもない、地域の人たちも、自分の校区の学校の成績などには関心がない。本当でしょうか。保護者も子供本人も地域の人たちも、みんな知りたいはずです。学校の成績がわからないままでは、地域ぐるみで子供の知的好奇心を刺激する、学力向上の手助けをするといった取り組みをしようにも、基本方針が立たないと思います。まず、情報を共有することが重要ではないでしょうか。 しかしながら、文科省は、序列化や過度の競争を防ぐという理由で、教育委員会が市町村名や学校名を公表することを実施要領で行わないということにしています。 こうした方針のもと、公表に消極的な市町村教育委員会に対し、知事や市長が自治体や家庭の責任を明確化するとして公表を求める動きが全国に広がっております。 十月八日には秋田県教育委員会が市町村名を伏せた形で公開を決めましたが、大阪府は、十月十六日、府内四十三市町村のうち三十二市町村の平均正答率を全面開示し、都道府県単位で全国初の市町村名開示となったところです。 広瀬知事も十月の定例記者会見で、「学力の状況を公表してもいいんじゃないか。自分たちの学力レベルがどういうところにあって、何が問題であるかを分析し、悪いところがあれば、これを補っていくということをやることが、長い目で見て、子供たちのためになるんじゃないか」とおっしゃっています。 私も、知事の、全国学力テストの結果を公表してもいいのではという発言を伺い、大変力強く思いました。 まず、全国学力テストの結果を公開し、その実績をあらゆる方面、方法で分析し、児童生徒はもちろん、保護者、地域の人たちなど、それぞれの立場で役立てていくことこそが重要ではないでしょうか。 来年度の県政推進指針にも市町村の自主的公表を進めると盛り込まれたようでありますが、この全国学力テストの結果の公開について教育委員長のお考えをお伺いします。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 私の方から、評価システムと教職員の人事の二点につきましてお答えをします。 教職員人事評価システムの確立のためには、教頭、教諭、事務職員などそれぞれの標準的な職務に応じた相対評価による能力評価制度を導入することが必要でありまして、そのための具体的な評価基準の設定が重要です。 また、評価の公平性を確保するためには、複数の評価者が評価を行うこと、評価結果の蓄積により複数年の視点からの評価ができるようにすること、さらには、評価者により評価結果が大きく異なることのないようにするための評価者研修の実施も必要です。 現在、こういった観点から、具体について、既に制度が導入されている知事部局や他県の状況も参考にしながら、平成二十一年十月からの試行、人事管理電算化の導入に合わせた二十二年十月からの本格実施に向けて、鋭意検討を進めているところでございます。 次に、教職員の人事についてであります。 本県の教育を再生していくためには、全県的な視野に立った広域人事などにより、教育水準の維持向上、あわせて教職員の資質向上と意識改革を進めなければならないと考えております。 このため、平成二十一年度公立学校教職員人事異動方針におきまして、教員の年齢構成や教科別教員配置の偏りなど各地域の課題を踏まえ、これまで以上に広域人事を推進することとしております。 小中学校間の人事交流につきましては、必要な教員免許が異なるため交流できる者が限られていること、小学校では一人の教員がすべての教科を教える学級担任制がとられ、中学校では専門の教科のみを教える教科担任制がとられていることなどもありまして、現状では人事交流が活発に行われているとは言いがたい状況にあります。 しかしながら、小中学校間の人事交流を進めていくことは、教員の資質向上と意識改革のみならず、義務教育九年間を見通した教育活動の充実という観点からも意義あるものと考えています。 このため、市町村教育委員会の理解と協力を得て、課題の解決を図りながら、広域人事や人事交流を推進してまいります。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 麻生教育委員長。 ◎麻生益直教育委員長 教員採用選考試験についてお答えいたします。 教員採用選考試験においては、教師としての高い専門性、教育に対する強い使命感と熱意、幅広い人間性を見きわめることが求められることは言うまでもありません。 教師が日々の授業実践や学級経営等を行うためには専門的知識と実践的指導力が求められていますが、特にスポーツや社会活動等による経験は児童生徒の人間教育を行う上で大変貴重であると考えております。 教員採用選考試験につきましては、既に本年度、抜本的見直しを行ったところではありますが、教育行政の改善策に基づき、今後さらに検証、改善を進めることとしております。 スポーツや社会活動等を評価することについては、その中でどのような方法が考えられるか、さまざまな角度から幅広く検討してまいりたいと考えております。 次に、全国学力テストについてお答えいたします。 平成二十年度全国学力・学習状況調査結果は、本県の平均正解率がすべての教科で全国平均を下回り、本県児童生徒の学力向上は最重要課題であります。 学力向上を図るためには、教員の資質、能力をさらに高め、授業力を向上させることはもとより、学校ごとに課題を分析し、具体的目標を掲げ、学校と家庭、地域が一体となった取り組みが必要と考えております。 このため、市町村教育委員会が地域住民に対し、域内の学力水準の実態や課題を示し、学力向上に向けた改善策を公表することなど、積極的に情報を開示していくことが大事であります。そのことにより、教育に対する保護者や地域の関心が高まり、地域総ぐるみで学力向上の取り組みが可能になると考えております。 そこで、県教育委員会は、今月中に市町村教育長会議を開き、市町村教育委員会が域内の学力の実態等について主体的かつ積極的に公表して説明責任を果たすように要請をいたします。 また、地域と一体となった学力向上に向けた改善策を積極的に展開する市町村教育委員会を支援することにより、本県児童生徒の学力向上を一層推進していきたいと考えております。 以上です。 ○近藤和義副議長 元吉俊博君。 ◆元吉俊博議員 ありがとうございました。 学力テストについて、大分県も十五年からですか、一斉テストを実施しているという中で、当時の小学校五年の子供が中学二年でまた受けたときにポイントが上がったという実績、それと、昨年で見ますと、やっぱりポイントが上がっているということで、そういう一斉テストをやることによって、どこを教育として力を入れたらいいのかということを考えながら先生たちが進めていくということがまさに子供の学力向上につながっているんじゃないかと思いますし、逆に、昨年で見ますと、目標値を達成した学校が半数近くに落ちているということは、その地域の小、中の取り組み方にばらつきがあるということでもあろうかと思いますので、そういったいい地域の取り組みの状況を、やっぱりそういったところに知らしめていくといいますか、そうやることによっておのずから底上げができるんではないかというふうに思っておりますので、ぜひお願いしたいと思います。 特に、私は小学校教育のことを言いましたけれども、よく人権だ、平等だと言いますけれども、平等と公平は違うんだということをもっと小学校の教育の中でたたき込んでいただきたい。中学の先生たちが本当に苦労しています。実態を聞いてみたら、わかると思います。やっぱり小学校のときに公平に扱う、ただ平等に扱うんじゃなくて、公平に扱うという精神というか、教え方、思想というものをしっかりと小学校教育の中で生かせるように、ぜひともお願いしたいというふうに思っております。 それから、人事について、広域人事と小中人事について質問申し上げましたけれども、十八年で小学校から中学に行ったのが二人、十九年で二人、二十年で一人、大分県下でたったこのくらいしかおらないというのが実態です。もちろん管理職は除いてです。 義務教育の小、中の先生たちは、免許を持っている人がほとんど、大半だと思います。そういうふうに私も、実際、先生方から聞いております。ここに、小学校だけで過ごさせる、中学校で過ごさせるというすみ分けがあるんではないかということを非常に感じます。 学校に行っても、例えば、入学式、卒業式、学校行事を見ても、中学校の先生方の姿勢と小学校の先生方の姿勢は明らかに違います。やっぱり小学校の先生が中学校の教諭に異動する、あるいは中学の先生が小学校の教諭に異動するという、この間の異動ということをもうちょっと推し進めていくことによって、さらにまた、いい教育体制というか、そういったものが望めるんではないかと思います。 明らかに、一年に一人か二人しか小学校から中学校に行かない、これはおかしいと思います。そこ辺は、もう一回精査していただいて、検討いただきたいというふうに思います。これは要望で結構でございます。 あと、もう残りの時間も少なくなってまいりましたが、教育委員長にお願いしたいんですが、今回の汚職の事件、いろいろな問題、あるいはいろいろなことが言われておりますが、本来、教育委員会が機能してなかったということ、あるいは形骸化していたんだという意見も出ております。そこにもうやっぱり大きな責任があると思いますし、教育長も教育委員長も、まさに自分たちがその立場にあるときに、長い間の慣例がこういう大きな問題として起こったということで、大変、逆に言ったらお気の毒というか、苦しいと思います。しかしながら、責任をとるというのは、ぜひ、現教育長、教育委員長の代で抜本的に大分県教育界をやりかえてしまうんだという強い決意で、結果を出して責任をとるということに、ぜひ私ども期待をかけたいというふうに思っておりますので、そういった意味では、いろんな責任のとり方、いろんなことも言われておりますけれども、まずは、全く新しい新生教育委員会、あるいは教育界を育てていくという道しるべをしっかりとつくり上げていただくことをぜひお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○近藤和義副議長 以上で元吉俊博君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩いたします。     午後零時四分 休憩  -------------------------------     午後一時三十三分 再開 ○阿部英仁議長 休憩前に引き続き会議を開きます。深津栄一君。  〔深津議員登壇〕(拍手) ◆深津栄一議員 こんにちは。元気を出して質問させていただきます。 二十六番、県民クラブの深津栄一でございます。今期定例会におきまして、六月議会に続いて、二回目の一問一答方式の質問をする機会をいただきましたことに、先輩並びに同僚議員の方々に深く感謝を申し上げます。 さて、前回は、一問一答の質問は初めての経験でありまして、質問時間の配分に無理がありました。よって、今回は、前回の反省を生かして質問に入らせていただきたいというふうに思います。 まず、「おおいた国体」「おおいた大会」の総括について質問をいたします。 九月二十七日に「ここから未来へ 新たな一歩」の大会スローガンを掲げて開会されましたスポーツの祭典、第六十三回国民体育大会は十月七日に閉会し、十月十一日には第八回全国障害者スポーツ大会が開会いたしました。十月十三日にすべての競技が終了いたしました。大会は、県内外の選手、関係者、家族や県民を初め、多くのサポーターの方々でにぎわい、各会場では、すばらしい競技が繰り広げられました、また、感動をいただきました。大会準備や運営に当たられました多くの関係者の方々各位に深く感謝を申し上げます。大変お疲れさまでございました。 国体では、四十二年ぶりの天皇杯と初の皇后杯を獲得し、障害者スポーツ大会では、過去最多となる百三十三個のメダルを獲得いたしました。両大会での大きな盛り上がりが県民の大きな活力となり、子供たちが夢と希望を持ってチャレンジする意欲につながれば大きな効果になるのではないでしょうか。一過性に終わらせてはならないというふうに思っております。 そこで質問でありますが、ソフト面に力を入れ、経費節約に努めましたが、今年度の初めに開催事業費の最終見込み額が百四十五億六千九百万となっておりましたが、国体が終了いたしましての最終見込み額をお聞かせください。 また、企業の協賛金やめじろん募金などの収入についてもお聞かせください。  〔深津議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○阿部英仁議長 ただいまの深津栄一君の質問に対する答弁を求めます。江川国民体育大会・障害者スポーツ大会局長。  〔江川国民体育大会・障害者スポーツ大会局長登壇〕 ◎江川清一国民体育大会・障害者スポーツ大会局長 国体等開催経費と募金等収入についてお答えします。 まず、国体、障害者スポーツ大会の開催経費についてでございますけれども、行財政改革プランでは百五十八億円余りを目標額としておりました。 その後、開閉会式会場や競技会場の仮設整備計画の見直しを初め、式典演技、音楽隊の練習会場や秋田県から引き継いだ資材の保管場所に経費のかからない廃校を利用するなどあらゆる経費の節減に努めた結果、十一月末現在では、年度当初の百四十六億円をさらに下回り、百三十七億円程度と見込まれております。これは、プランの目標額と比較すると二十一億円程度の節減となります。 次に、募金四億円、企業協賛金一億円の合計五億円を目標に取り組んできためじろん募金ですが、十一月末の現在額は五億九千万円となっており、これに障害者スポーツ大会への特別協賛金一億円を加えますと合計六億九千万円となっています。これも、県民の皆様の温かいご支援のたまものであり、深く感謝申し上げます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 今の答弁、六億九千万の募金並びに予算の削減ということで、ソフト面に力を入れた成果が得られたと思いますが、その陰には多くの方々の協力があったことをしっかりと認識をしていただいて、これからの活動に頑張っていただきたいというふうに思っております。 続いて、競技開催地においては、スポーツの魅力に感動を受けて、多くの県民のスポーツに対する関心が高くなったと感じております。また、国体開催がスポーツの振興と地域の活性化の大きなきっかけになったと考えております。 そこで、今後、各地域で使用されました施設の活用と県民のスポーツに対する興味、関心をどのように生かしていこうとしておるのか、具体的にお聞かせください。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 地域スポーツの振興についてお答えします。 本県では、平成十七年度から大分国体の開催競技が当該地域に根づくよう、県民体育大会の各競技を国体会場地を中心に実施してきました。中でも、国体と全国障害者スポーツ大会の会場となりました玖珠町のメルヘンの森スポーツ公園や佐伯市民プールは総合型地域スポーツクラブの活動場所として利用されています。 このため、両大会の開催により高まった県民のスポーツへの関心が日常的なスポーツ活動へつながるよう、県民体育大会等のイベントの充実や魅力ある総合型地域スポーツクラブの創設、育成を引き続き推進します。 また、来年度は、全国中学校体育大会の陸上競技が九州石油ドームで実施されるほか、二十五年度には、北部九州四県で開催されます全国高等学校総合体育大会におきまして、本県では九競技程度が国体競技会場を中心に実施される予定です。 今後とも、関係市町村や競技団体と連携しまして、各種大会の開催に合わせた住民との交流機会の創出や温泉等の観光資源との組み合わせなどスポーツを通した地域の活性化にも寄与しながら、地域スポーツの振興に努力してまいります。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 先ほどの今後の施設の活用ということで、青少年の健全育成、後ほど質問の中で具体的に出させていただきますけれども、各市町村と連携をとりながら、これまでの国体で使用した施設の有効活用、ぜひ生かしていただきたいということを強く要望しておきたいというふうに思います。 続いてでありますが、ボランティアの関係であります。 何事も裏方の苦労と努力は大変であります。日の当たらない陰の力があってこそ、行事の成功があります。今大会におきましても、各地区では、行政職員の方々を初め、多くのボランティアの方々のご協力をいただきました。ボランティアの方々の町の美化活動、あいさつ運動、花いっぱい運動、手話活動、セレモニーの練習など数多いおもてなしの心の取り組みや大会準備や選手のお世話などに大会数年前から取り組んでまいりました。大変なご苦労があったことと思います。改めて感謝を申し上げます。 ことしの大分の暗いイメージを吹き飛ばすかのような取り組みでありました。おかげさまで来県者から高い評価をいただき、大分のイメージは大変よくなったのではないでしょうか。 そこで、ご協力をいただきましたボランティアの団体数と人数についてお聞かせください。 ○阿部英仁議長 江川国民体育大会・障害者スポーツ大会局長。 ◎江川清一国民体育大会・障害者スポーツ大会局長 清掃活動や花いっぱい運動等の県民運動には、自治会や児童生徒の皆さんなど、まさに県民総参加でご協力をいただいたところであります。 ボランティアとして大会運営にかかわった団体は、学校、ボランティアグループ、職域、趣味のサークル等多岐にわたり、県、市町村合わせて約五百七十団体となります。これに個人での参加を含めて約一万五千人の県民の皆様がボランティアに参加していただきました。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 今回の国体でボランティアの方々が培ってきた経験と知識であります。先ほど答弁がありましたように、五百七十団体、約一万五千人の方々の多くのご協力があってこの国体が成功したと私は感じておるわけでありますが、そういうボランティアの方々の培ってきた経験と知識から得られたノウハウを一過性で終わらせるのではなくて、今後も生かしていくことが重要ではないでしょうか。今後どのように生かしていこうとしておるのか、今後の予定、計画があればお聞かせいただきたいと思います。 ○阿部英仁議長 江川国民体育大会・障害者スポーツ大会局長。 ◎江川清一国民体育大会・障害者スポーツ大会局長 大会に参加したボランティアは、今後も地域でのボランティア活動に取り組んでいただけるよう、各種ボランティア制度等について情報を提供したところであり、今後も大会で習得した知識や技能を新しい分野で発揮していただくことを期待しています。 実際に、障がい者に対する要約筆記については、大会後開催された要約筆記講座に例年の六倍の応募があるなど、大会を契機にボランティアの拡大が図られています。 また、障害者スポーツ大会で選手団担当ボランティアとして学生の皆さんに約五日から六日間従事していただいたわけでございますけれども、「やってよかった」という声や「学校の授業だけでは決して学べない貴重な体験ができた」と多くの感想が寄せられており、ユニバーサル社会実現の一翼を担う貴重な人的財産になるものと考えています。 このほか、めじろん放送局のビデオボランティアも、そのノウハウを生かし、引き続き地域情報の発信に活躍していただけるものと期待しているところでございます。 以上です。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 いろんな方々のご協力をいただいて、いろんな経験、そして、いろんな希望も持てるような大会であったというふうに思うわけであります。 この大会が終わって、もうすべてが終わったということではなくて、先ほど言いましたように、この大会をどう生かしていくかということが、これからが本当の正念場だというふうに思うんです。そういう立場から、こういう多くの方々のボランティアの経験を、そして、これからやっぱり大分県、ふるさとという思いをしっかりと結びつけるためには、これから県として音頭をとりながら、ボランティアの方と連携をとり、そして、いろんな機会あるたんびにそういうボランティアの方々のご協力を今後さらに広めていく、これがやっぱり大分県のおもてなしの心が真の心につながるというふうに思うんですが、その点についてどうでしょうか。 ○阿部英仁議長 江川国民体育大会・障害者スポーツ大会局長。 ◎江川清一国民体育大会・障害者スポーツ大会局長 今回、私どもが一番感動したのは、障害者スポーツ大会におきまして、先ほど言いましたように、今いる専門学校、大学生の皆さんが五日間から六日間従事していただいたんです。その方々に、大会が終わった後、アンケートをとりました。そしたら、ほとんどの学生さんたちが、最初は、やっぱり障がい者を相手にするのは大丈夫だろうか、できるんだろうかと不安があった。最近の若い人の言葉で言えば、うざいな、非常にそういう気持ちを持ってやったんだけれども、一日目、二日目ぐらいになると障がい者の方々から声をかけられて、そして勇気づけられてやった。それが非常に学生さんの感動を得ておりまして、私が読んだ限りのアンケートはすべてが、この経験は自分たちの後輩にも体験させたい、ほとんどの人たちがそう答えていただきました。 したがいまして、やっぱりこういう経験こそが次の大分を担う大きな財産になるのではないかというふうに思っております。 以上です。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 確かに、そういう財産として、これから、ふるさとを愛す若い人が就職、進学で県外に出て帰ってこないようじゃなくて、ふるさとを思えるような、そういう体質を、また、県としてのイメージを、ぜひ今後も頑張って、ボランティアを通じてつくっていただきたいことをお願いしておきたいというふうに思います。 県外のチームを激励している小学生や中学生、そして高校生の応援隊を見て、感動と友情を感じました。すばらしいおもてなしの心の一つではなかったでしょうか。 一生に一度か二度しか経験することのない大分国体に、子供たちは多くの感動を覚え、これからの人生に大きな希望を持ったことというふうに思います。 また、高校生選手のたくましい姿に、大きな声援を必死に送っている姿に、多くの県民は感動したことと思います。 大分国体を大きな機会といたしまして、スポーツに目を向け、心身ともに健康な子供たちが誕生することが、将来のスポーツ県として大分県が飛躍することになるのではないでしょうか。そのためには、私たち大人にも大きな責任があると感じました。 今後、大分県のスポーツ振興をどのように推進されようとしておるのか、また、子供たちが大分国体を通じて感じたスポーツへの興味、関心を生かし、スポーツ振興につなげていく必要があるというふうに思うんですが、お聞かせください。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 少年スポーツの振興についてお答えします。 「おおいた国体」「おおいた大会」の成功は、多くの児童生徒に夢と感動、そして大きな自信を与えてくれました。このことにより、子供たちのスポーツに対する興味、関心は非常に高まっています。 県教育委員会では、県民のスポーツ実態調査とあわせ、国体の成果を反映した新しいスポーツ推進計画を来年度に策定することとしています。この計画の中に、喫緊の課題であります子供の体力向上を図る学校体育活動の充実や競技力向上に向けた体系的な取り組みについても盛り込みたいと考えています。 具体的には、子供たちがスポーツに親しめる環境を整備するため、関係機関、団体とも連携をいたしまして、スポーツ少年団活動や学校運動部活動の充実を図るとともに、子供から高齢者までだれもが気軽にスポーツに親しめる総合型地域スポーツクラブの創設、育成を支援します。 また、すぐれた素質を有するジュニア選手を発掘して、発達段階に応じた適切な指導を行い、全国や世界でも活躍できるトップレベルの選手を計画的、継続的に育成するなど、次代を担う青少年のスポーツの振興に努めてまいります。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 来年度の推進計画をより充実した計画にしていただくことをお願いしておきたいというふうに思います。 続いて、大分県の応援団鳥ということで、マスコットキャラクターの「めじろん」とめじろんダンスは全県民の認知度が高くて、大会後も多くの県民から親しまれているというふうに、私だけじゃなく、多くの方がそう思っております。 それぞれの評価と今後の活用について、改めてお聞かせください。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 ただいま深津議員から、国体、あるいは障害者スポーツ大会についていろいろご質問いただきました。 この両大会の大成功の背景には、お話がありましたように、資金的に大変応援をしていただいた皆さん、そして、身をもって両大会を支えていただいたボランティアの皆さんなどなどのおかげがあったことは我々は銘記しておかなければならない。そして、その皆さんの思いをこれからも県のスポーツ振興初め、県政の中に生かしていかなければならないというふうに考えているところでございます。 あわせまして、「めじろん」にも大活躍をいただきました。「めじろん」は、かわいくて頑張る一生懸命さを表現したその姿と、明るく元気なめじろんダンスが相まちまして、県民に大変親しまれて、両大会のPRに大車輪の働きをしてくれました。両大会のシンボルとして、大会成功の最大の功労者と言っても過言ではないと思います。 ここまで産み育ててくれた江川局長初め、国体・障害者スポーツ大会局の皆さん、そして、何といっても大分県の青少年初め、県民の皆さんに心から厚く御礼を申し上げておいてくれと「めじろん」からも伝言を賜りました。 この活躍の場は、大会のPRイベントにとどまらず、地域のお祭りや敬老会、あるいは子供会の催し、運動会、体育祭や文化祭、あるいは結婚式や誕生祝いまで大小問わず県内各地に及んだところでございます。 さらに、大分県少年の船で沖縄県にも行ってもらいました。また、熊本県の八代養護学校から招待されるなど、県外にまで活躍の場が及んだところでございます。 十九年度から始めた着ぐるみの貸し出し件数も千百四十四件に上ったところでございます。 また、オフィシャルグッズを含め、四百七十九種類のめじろんグッズが作成されまして、さらに県下各地で県民手づくりのさまざまな「めじろん」が登場したところでございます。 両大会終了後、私どもも驚いたんですけれども、県民の皆さんから「今後も「めじろん」をぜひ使ってほしい」「真ん丸なかわいい姿をまた見たい」との声が多く寄せられました。このため、大分県の元気や魅力を象徴して、県民の皆さんを応援する大分県応援団鳥として引き続き活躍してもらいたいというふうに考えておるところでございます。 めじろんダンスも、十九年度から延べ三百十二人のダンスインストラクターとボランティアを派遣いたしまして、県内の幼稚園、小学校の運動会や発表会、さまざまな地域のイベントで踊られまして、メロディーに乗って歌って踊る子供の姿が今でも県内各地で見受けられるところでございます。 これからも大分で育った子供たちは、みんなこのめじろんダンスが踊れるというぐらいに積極的に使ってもらいたいというふうに思っております。これからも皆さんのご愛顧をよろしくお願い申し上げます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 知事の方も「めじろん」に対する強い愛着というんですか、高い評価をされているというふうに私は受けとめたわけであります。 歌、私、下手ですから何ですけれども、「緑がいっぱい大分県」というのに始まりまして、「飛べ飛べ高く」「力の限り」と、これが歌われているわけでありますが、めじろんダンスは大分県のすべてを表現して、大きな飛躍を意味する歌ではないでしょうか。小学生から高校生、いや、幼児からと言ってもおかしくないと思うんですが、全県民に親しまれ、「おおいた国体」「おおいた大会」の成功に大きな貢献があったというふうに、先ほど知事も答弁でありましたように、私もそう感じております。 よって、この「めじろん」を作詞、作曲いたしました大分市立西の台小学校の伊藤圭祐君と、かわいい親しみある踊りのめじろんダンスの振りつけ、普及を担当されました大分県女子体育連盟は最大の功労者ではないでしょうか。私は言い切っても過言じゃないというふうに思っております。よって、知事名で、感謝状か功労賞か、名称はともかく、表彰を出すお考えはないでしょうか、お尋ねをいたします。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。
    広瀬勝貞知事 大変貴重なご提言でございますので、よく考えてみたいと思います。「めじろん」とも相談をいたしまして、結論を出したいと思います。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 では、「めじろん」と相談して、すばらしい結果が出ることを私も期待いたしておきます。 大分国体のすばらしい成績と選手育成システムなどを来年の「ときめき新潟国体」にどのように継続をしていくのかが今後問われるというふうに思うんですが、今大会は特に高校生の活躍が目を引きました。健全な精神は健康な体からと言われますが、スポーツ振興は青少年の健全育成の立場からも重要だというふうに思われます。 育成強化費を来年度予算に組み入れる考えはないのか、お尋ねをいたします。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 少年種別の選手育成強化についてお答えします。 大分国体では、少年競技に高校生三百七十六名、中学生十六名が出場しまして、十種目で優勝、八十種目で入賞を果たし、天皇杯、皇后杯獲得の原動力となりました。 これらの活躍は、競技団体や学校関係者等と連携して、手づくり選手の活躍による男女総合優勝を目標に、長年にわたって計画的かつ継続的に強化を行ってきた成果と考えています。 また、本県選手が地元の晴れ舞台で目標に向かってチャレンジする姿は、多くの子供たちに感動をもたらすとともに、「やればできる」という自信と勇気を与えてくれました。 県教育委員会では、来年度、これまで国体局が担ってきました競技力向上に向けた取り組みを引き継ぐこととしておりまして、県体育協会や競技団体等と連携のもとに、国体少年競技の育成強化の拠点となる学校を指定し、重点的に強化を図るとともに、県選抜チームによる合同合宿や県外遠征等を継続的に支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 改めて教育長にお尋ねいたしますが、決してお金がすべてではないということは私も十分認識をいたしております。しかし、現実、今回の大会の成功の大きな一つとして、いろんな方々のご協力もあったわけでありますが、大会競技の人数もそうですが、すべての競技に参加ができる、これはやっぱり、多くの参加ができるということは、それだけ点数が加算されますので、それだけ有利だということになろうかと思うんです。 きのうの答弁の中で、御手洗県議の質問の中でありました、来年度は九州一で、十位以内に入るという大きな目標を掲げております。例年、私が言うまでもない、昨年の成績、また、その前の成績見ても非常に高い目標だというふうに思うんですが、それは、目標は目標でしっかり持っていただいて頑張っていただきたい。そのためには、これは、順位とか成績のいい悪いは別にして、大分県のこの国体をきっかけに、子供たち、そして県民がスポーツに対して関心を持つということも大きな役割の一つであります。しかし、やっぱりそれには、強化費というんですか、いろんな経費がかかりますから、ある程度、国体の強化費というのか、そういう名目は別にして、何か予算的に若干やっていただく考えはないんでしょうか。その点について改めてお尋ねをいたします。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 継続的に支援してまいりたいと考えておりますので、所要の予算確保に向けて努力をいたします。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 「めじろん」とともに努力をしていただいて、来年度も「めじろん」が活躍できるような新潟国体にしていただきたいというふうに思っております。 続いて、大きな二点目になりますが、公共工事の課題と経済効果についてお尋ねをいたします。 県南では、ことし五月に「釣りバカ日誌十九」の撮影が始まりまして、六月二十八日には東九州自動車道が佐伯インターチェンジまで開通し、多くの方々が県南に来る、秋には「おおいた国体」「おおいた大会」もある、これからは県南の時代だと多くの市民は元気になっていました。ところが、六月十四日に教職員汚職事件が発覚し、このことが洞爺湖サミットより先に全国版のニュースに出るというような問題がありまして、佐伯市には暗いニュースが駆けめぐりました。しかし、県南市民は、このピンチを生かしてチャンスにつなげようと必死の思いで汗をかいております。 東九州自動車道佐伯-津久見間の十三キロが開通し、一日の利用台数は、当初予想しておりました四千台を大きく上回り、約六千台の利用台数となっております。しかし、昔から袋地は栄えないと言われております。佐伯から蒲江間の早期開通と宮崎を結ぶ東九州自動車道に大きな期待が寄せられております。 地元では、早期実現を求め、十一月二十二日、広瀬知事を初めとする大分県関係者や宮崎県の関係者など総勢約千名を超える方々が参加し、日豊経済圏開発促進協議会主催の第二十五回東九州自動車道建設促進大会が佐伯文化会館大ホールで盛大に開催をされました。私も参加いたしましたが、県南市民の期待の大きさがひしひしと伝わってきた大会でありました。 そこでお伺いをいたします。 東九州自動車道佐伯-蒲江間の進捗状況と開通予定及び県境までの今後の計画についてお聞かせください。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 お答えいたします。 佐伯-県境間は、国が直轄方式によりまして整備しております。十一月末現在の用地取得の進捗率は、蒲江-県境間で九〇%、二年ほどおくれてスタートいたしました佐伯-蒲江間では五八%、全体では六六%となっております。 現在、用地取得を完了した箇所から文化財調査及び本線工事を実施中でございます。 国は蒲江-北浦間の完成予定を二十四年度と発表しておりまして、県といたしましては、完成予定が発表されておりません佐伯-蒲江間についても、早期完成を目指して、国とともに引き続き用地取得の進捗を図ってまいります。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 続いてでありますが、佐伯市街地につながる道路は、これまでも朝夕の通勤時間帯は、特に混雑、渋滞が発生をいたしました。渋滞緩和として国道二一七号佐伯弥生バイパスの計画が進められ、東九州自動車道の開通にあわせて完成する予定でありましたが、土地収用の申請ミスによって工事がおくれているようであります。 住民が早期の完成を待ち望んでいる道路であり、一期、二期、三期工事の進捗状況及び開通予定についてお聞かせください。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 お答えいたします。 国道二一七号佐伯弥生バイパスにつきましては、総延長約六・四キロメートルで、三工区に分けて整備を進めております。 現在、県道佐伯津久見線から市道臼坪女島線との合流部までの第一期工区約三キロメートルのうち、弥生側から県道佐伯弥生線までの約一・七キロメートル区間につきましては、二十一年秋までの供用を目標に工事を進めております。残る市道合流部までの供用は二十二年度の早い時期になる見込みでございます。 弥生側の国道一〇号までの第二期工区約一・九キロにつきましては、本年度末から本格的に用地交渉に入りまして、来年度には一部工事に着手する予定でございます。用地取得が順調に進みますと、二十年代半ばに供用できると考えております。 残る佐伯駅までの第三期工区約一・四キロメートルにつきましては、第二期工区の進捗を見ながら着手時期を検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 一期工事に的を絞ってお尋ねをいたします。 先ほども答弁をいただきましたが、一期工事は当初の開通予定はいつだったのか、お聞かせください。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 当初の予定は国体前ということで事業に着手しておりましたけれども、先ほどの議員ご指摘の件もございますけれども、用地の同意をいただけなかったということで今に至っております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 私は、いつ完成予定だったかということを、年月日を聞きたかったんですが、改めてお願いいたします。 と同時に、時間の関係がありますので、かいつまんで質問いたしますが、申請のミスを行ったということでありますが、改めて受注をした業者は前と一緒なんでしょうか。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 測量設計のことではないかと思いますけれども、たまたま同じ業者ということになっております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 先ほども言いましたように、当初の開通予定の年月日を教えてほしいんです。 それで、また改めて聞きますが、申請ミスによっておくれておるこの工事について、負担額の金額が出ておると思うんですが、ミスによってその金額が幾らふえたのか、具体的に示してほしいです。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 当初、開通予定は国体開催前ということで各方面にお知らせしていたかと思います。 現在のところ、それでふえるところにつきましては、ちょっと資料がございませんので、後ほど調べてお知らせしたいと思います。よろしいでしょうか。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 では、その金額、幾らふえたという部分については後ほど文書で示していただきたい。最初はこれだったけれども、こうなったからこうなりましたということを具体的に文書で示してほしい。 では、具体的に、ある業者、あると言うよりもコンサルタント会社でありますが、これは入札があったんでしょうか、なかったんでしょうか。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 お答えします。 入札ということでしょうか。--はい、競争入札で契約しております。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 競争入札で最初入札をされた、そして、いろいろ手違いがあって、改めてその業者にまた行ったわけでありますが、競争入札は何業者が入札に参加されましたか。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 参加する業者数ということでしょうか。--通常、八社参加するようになっています。 以上です。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 八社の業者が入札をして、A業者が落としたわけです。その業者がちょっとミスをして、金額的に、後ほど文書で来ると思うんですが、その申請後も新たに同じ業者が請け負ったということになったという確認でよろしいんでしょうか。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 はい、そのとおりでございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 では、確認でありますが、その業者と県とのかかわりは全然ないんでしょうか。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 県とのかかわりという、参加する資格がございますので、県とのかかわりはあると思います。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 具体的に言いますと、あるマスコミによりますと、退職者の部長が社長になっておる会社というふうに聞いておるんですが、その点についてはどうでしょうか。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 そういう地位におられたときもございました。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 時間の関係でこの程度にとどめておきますが、また改めてお尋ねをしていきます。 負担増についてでありますが、後ほど文書でということでありますが、具体的に改めて明細を細かく出していただきたいというふうに思います。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 手元に資料が届きましたので、済みません、ご報告させていただきます。 設計で、工事費で一・一億円、そういうふうになっています。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 ちょっと私の言っていることがとんと、意味が通ってないようでありますが、もう時間の関係で、これやりよったら先に進みませんので、もう後から、ちょっと相談含めて聞かせてください。一応確認だけをさっきさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。 それと、最後になりますけれども、この問題は、本当は国体まで間に合わせて、市街地に入る交通緩和や住民のための道路ということで、その予定だったわけですが、残念なことに、今でも佐伯に入るのに皆さん非常に不便を感じておって、大変困っておる。まさに、佐伯に行くんがよだきいのう、朝夕は特にそういう状態になっております。 非常にこの問題がおくれたことに、申請ミスだけの問題ではないことは十分にわかっておりますが、やっぱり一つでありますので、大きく反省をしていただきたいというふうに思っておるんですが、ミスをして、そのけじめというんですか、これは何らかの形でつけられましたか。業者に対しても、含めて。 ○阿部英仁議長 深津議員に申し上げます。 本会議におきましては、文書の回答については認めてないということでございますので、この答弁は不要ということでよろしゅうございますか。先ほどの金額の部分は。いいですね。--山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 注意をしたというふうに聞いておりますので、その辺の処理につきまして、あわせてご報告させていただきたいと思います。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 注意をしてから、ウン千万の損失は県民の税金でありますから、しっかりそこんところ、ミスはミスで何らかのけじめをつけて、県民に明らかにするということが、これはやっぱり県に対する信頼になろうかと私は思うんです。そういう意味で、身内意識のようなことだけは避けていただきたいということを強くお願いして、次に参らせていただきます。 佐伯港は、大分県南部の佐伯湾の奥部に位置して、天然の良港として、旧藩時代から外国との交易もあり、近隣離島及び近隣沿岸域との交通の要衝として栄えてきた港湾であります。 戦前は、海軍航空隊や海軍防備隊が置かれて、軍用施設として防波堤、接岸施設が整備され、戦後は、これらの軍用施設の転用により、臨海部にパルプ、造船、セメント、合板等の企業が立地しておりました。昭和二十九年の開港時には植物防疫港に指定、昭和三十四年より港湾整備事業が着手され、昭和四十五年には重要港湾に指定され、大分県南部の流通拠点として発展してきた港湾であります。時代の変革はありますが、大分県南の重要港湾としての大きな役割があります。 さて、佐伯港多目的国際ターミナル事業は、マイナス十四メーターバースで五万トンクラスの船が二隻横づけできる計画がされております。この事業は重要港湾として欠かせません。 また、完成後は、県南佐伯の海の玄関として大きな役割と経済効果が期待できるところであります。 ついては、事業の進捗状況と完成予定をお聞かせください。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 お答えいたします。 佐伯港港湾計画に位置づけられました水深十四メーター岸壁二バースのうち一バースにつきましては、国直轄事業で平成五年に事業に着手しまして、十九年度末進捗率は約八二%でございます。二十二年度の岸壁の完成を目標に整備が進められております。 また、この岸壁の整備とともに、多目的国際ターミナルといたしまして供用開始するためには、泊地や航路の水深確保のためのしゅんせつが不可欠でございます。 現在、早期供用に向けまして、しゅんせつ土の処分方法等について、あらゆる可能性の検討を進めておりまして、今月中に取りまとめることとしております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 限られた時間でありますので、先走りますが、この自動車道と十四メーターバースをどう今後つなげていくかということであります。自動車道と海の玄関である佐伯港は大きなかかわりがありまして、安い輸送費で大量に輸送できるなど経済的に大きな効果が見込まれております。東九州自動車道と海の玄関とを結びつけて経済浮揚を図ることが必要ではないでしょうか。 今後どのように連携、活用していこうとしておるのか、お聞かせください。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 物流拠点でございます重要港湾と高速道路を中心としました陸上交通網を効率的に結節するということで、地域の発展基盤となります海陸交通網の充実が図られます。これらの社会基盤を早期に整備し、活用することで、県南地域の観光や産業が活性化しまして、雇用拡大や経済浮揚の面で大きな効果が期待されます。 そのため、国及び佐伯市など関係機関と連携をとりながら、佐伯港多目的国際ターミナルや東九州自動車道佐伯以南とそれを結びます国道二一七号佐伯弥生バイパス等の早期完成に努めてまいります。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 あさって、十二月十一日、佐伯で、たまたま私の質問と重なったわけでありますが、この十四メーターバースの早期完成と地域の活性化を願おうということで、佐伯の方で市民総決起大会が開催をされるようであります。これも市民の切実な早期実現が望まれておるわけでありますが、先ほど答弁でありましたように、二十二年度に完成ということでありますので、ぜひこの完成に向けて、受け入れ体制を、しっかり市と連携をとりながらやっていただきたいというふうに思うんですが、その点についてはどうでしょうか。決意をお聞かせください。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 お答えいたします。 直轄事業の方で、岸壁は二十二年度ということで、しっかり要請していきます。引き続く泊地、航路のしゅんせつも必要でございますので、あらゆる可能性を検討いたしまして、早期の供用が開始できるように努めてまいりたいと考えております。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 佐伯の道路網も整備されました。港湾もしっかりと準備が進められております。これからは県南の時代というふうに私は位置づけていきたいと思うんですが、なかなか今、若者が定住しない。地方は過疎化ということで高齢化が進んでいる中で、やっぱり若い人が働く場が、今、県南にはない。卒業して、市外、県外に出て、なかなか帰ってこないというのが実情であります。ぜひ、県南に企業誘致をし、そして若者が本当にふるさとで生活をしたいという、受け入れ体制をつくる必要があるわけでありますが、市の方もしっかり今やっていると思いますが、市と連携をとりながら、県の方もぜひやっていただきたい、企業誘致を進めていただきたい。 そして、一つの案として、旧上浦町でありますが、県の水産試験センターがあるわけですが、佐伯は海の幸が豊かであります。そういう海を生かしたような、将来、若い者が自給自足ができ、そして一次産業が発展できるような、試験センターと併設をして、やっぱりそういう研究開発、そして学ぶということも大事ではないかというふうに思うんですが、その点についてはどうでしょうか。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 ただいま深津議員からお話がありましたように、大変おくれておりましたけれども、ようやく東九州自動車道が佐伯まで来た。マイナス十四メーター岸壁の方も、何とか二十二年度、予定どおり完成をさせたいという意気込みで、今、あらゆる可能性を調べているところでございます。そういう意味で、本当にようやく県南の時代が来たという思いでございます。 そういう中で、これから県南の発展を図っていくときには、やはり企業誘致というのが大きな決め手になっていくだろう。現在のような景気の後退局面では足踏みをすることもありますけれども、長い目で見ますと、雇用の創出だとか、若者の定住だとか、地場企業のビジネスチャンスの拡大といったようないろんな効果があるわけでございまして、これからの県南地域の時代に向けて企業誘致を進めていきたいというふうに考えているところでございます。 そのためには幾つか取り組まなきゃならぬ課題があるわけでございますけれども、第一は、やっぱり、地元の受け入れ体制を整備していくということが大事だろうというふうに思っています。 安価で優良な工場適地を掘り起こしておく。適地を整備しておく必要はありませんけれども、いい企業があれば提供できるような土地を探しておくということも大事でございます。周辺インフラを整備しておくということも大事でしょう。企業ニーズに迅速に対応するワンストップ体制の充実といったようなことも大事だろうと思います。そんなことで、企業にとっても魅力的な条件を整備しておくということが大事だと思います。地元の佐伯市と一体となって取り組んでいきたいと思っております。 もう一つ、企業誘致に大事なことは、地域の特性を生かしてアピールをしていくということでございます。 もうこの点については、今、深津議員からご質問があったように、高速道路もできる、東九州きっての良港もできる、そしてまた、それをつなぐ道路も整備される、条件はだいぶ整ってまいりました。あるいはまた、佐伯は造船や医療機器関連や水産加工等の集積もあるわけでございまして、そういういいところをアピールしながら企業を誘致していくということが大事だと思います。セールスポイントに磨きをかけて、追い込みをしていくということでございます。そういうことについても私も努力をしていきたいというふうに思います。 議員ご指摘のように、水産試験センターがあるんだから、それを活用して、その近辺に試験研究施設等々を誘致したらどうだということでございますが、これも、せっかくの研究施設があるわけで、研究施設の周りにいい民間企業が来れば、これまた、大変おもしろいと思っているところでございます。これもセールスポイントにしながら、大いに企業誘致を進めていきたいというふうに思っております。何も、製造業の拠点ばかりではなくて、試験研究の機関も一つの対象として考えていったらいいというふうに思っております。 いろんな可能性を探りながら、企業誘致を中心に、これからも県南の振興、発展を図っていきたいというふうに思っているところでございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 先走っておりますけれども、はしょっての質問になって申しわけありませんが、残された時間でありますので、もう質問事項のみにさせていただきたいというふうに思っております。 県の公共工事による経済効果についてでありますが、平成十九年度と平成十四年度、そして平成九年度の県の公共工事の発注額と件数についてお聞かせください。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 土木建築部における公共工事の発注額及び件数の実績についてでございます。 平成十九年度は、約四百三十一億円で二千六百三十四件、十四年度は、約七百四十億円で二千八百八十七件、九年度は、約一千百四十五億で三千八百八十件となっております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 年々、公共工事を国自体が減らしておる中で、地方も公共工事に頼って、やっぱり若い人たちも含めて働く場が今厳しい状況になっております。ぜひ、少ない、年々減っている工事の中で、県内発注の工事も含めて、やっていただきたいというふうに思うんですが、先ほどの年度の中で、受注業者の県内外の状況についてどのようになっているのか、額と件数についてもお聞かせください。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 土木建築部におけます公共事業についてでございます。 県内外業者別の発注額及び件数の実績は、県内に本店があるものを県内、それ以外のものを県外と区別いたしますと、平成十九年度は、県内で約三百七十二億円で二千四百八十八件、県外は約五十九億円で百四十六件です。 十四年度の県内は約五百二十億円で二千六百二十四件、県外は約二百十九億で二百六十三件でございます。 九年度の県内は約七百六十四億円で三千五百六十四件、県外は約三百八十一億円で三百十六件でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 非常に年々減っている中で県内の業者を使っていることは十分にわかるんですが、ただ気をつけておかないといけないのは、営業所、支店というのは、ほとんど下請、また、孫請に出している状況であるんですが、ぜひ県内の業者を使っていただくよう指導しているのかどうか、その点についてどうですか。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 県内業者との下請契約を義務づけますことは違法となるおそれがあるとの公正取引委員会の見解がありますことから、県では、発注に際しまして、設計図書の特記仕様書で「下請相手方を県内に主たる営業所を有するものの中から選定するように努めなければならない」と明記しまして、下請契約に際しまして県内業者を優先するよう要請しております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 ぜひ今後も県内の下請、孫請業者を少しでも使っていただくよう強く要望していただきたいと思います。 それと、議長、先ほど一点飛ばしたんですが、国体の経済効果について、ちょっと一言だけいいでしょうか。--済みません。 通告はしておるんですが、先ほど国体の経済効果について聞き漏らしておりましたので、ぜひその効果についてお聞かせください。 ○阿部英仁議長 江川国民体育大会・障害者スポーツ大会局長。 ◎江川清一国民体育大会・障害者スポーツ大会局長 国体、障害者スポーツ大会の経済効果についてでございますけれども、両大会では、全国から約三万八千人の選手、監督、役員等が来県し、その消費額の主なものについては、宿泊料は、国体では民泊を含め十二億円、障害者スポーツ大会では約二億七千万円です。それに、昼食弁当代が約一億三千三百万円と県内の移動に係る経費が三億四千八百万円で、合計で約十九億五千万円となっています。 次に、「めじろん」の公式グッズは、十九種類の商品で約一億八百万円、「めじろん」のキャラクターを使った民間商品では、百四社、四百六十種類の商品で約八億五千五百万円を売り上げ、まさに「めじろん」大活躍というような感があります。 また、県が重点的に取り組んでいる「おおいた・ワンコインふるさと商品」については、九石ドームや各地域の競技会場、大分空港等において一万四千個、約七百万円を売り上げ、県内外の参加者に好評を博し、絶好のPRの機会となりました。 なお、詳細な金額は把握できていませんが、国体の開閉会式会場では九十四、障スポ大会では競技会場を含めて百九十三の出店ブースを設置し、延べ約十二万六千人以上の方々に訪れていただき、売り切れとなる商品が続出するほどの大盛況でした。答弁は以上です。 なお、もしお許しいただければ、私、今議会をもちまして最後の議会となりますので、ちょっとこの場をかりまして、お礼を申し上げたいというふうに思っております。 私、十二月末をもって退職いたします。今回の両大会におきましては、阿部議長、近藤副議長初め、県議会の皆さん方の大変な温かいご支援によりまして、無事に終えることができました。 私にとりましては、三十七年間の役人生活でございましたけれども、最後にこういう場面をいただきまして、本当に記憶深い役人生活となりました。 大分県をめぐる情勢は非常に厳しいものがありますが、国体における、あるいは障スポ大会の開会式におけるあの「チャレンジおおいた」という言葉が今でも私の脳裏に焼きついております。 どうか、非常に厳しい状況の中ですが、先生方、皆さん方、何とかこのチャレンジ精神で乗り切っていただきたいというふうに思います。どうもありがとうございました。感謝申し上げます。(拍手) ○阿部英仁議長 深津栄一君。 ◆深津栄一議員 大変済みません。ありがとうございました。すばらしい活動を、これまで長い期間、本当に支えていただきまして、「おおいた国体」「おおいた大会」を成功に導いていただきましたことに心より感謝とお礼を申し上げまして、あいさつにかえます。ありがとうございました。(拍手) ○阿部英仁議長 以上で深津栄一君の質問及び答弁は終わりました。衛藤明和君。  〔衛藤議員登壇〕(拍手) ◆衛藤明和議員 皆さん、こんにちは。四十二番の衛藤でございます。本日、最後になりました。大変、皆さん、お疲れでありましょうが、いましばらくおつき合いのほど、よろしくお願いいたします。 当選以来、今回で二回目の一般質問をさせていただきます。質問の機会を与えていただいた議員各位及び関係者に心から感謝を申し上げる次第であります。 なおまた、今回も広瀬知事にぜひお会いしたいということで、地元の杵築市よりたくさんの方々が傍聴に駆けつけていただきました。師走の大変お忙しい中、まことにありがとうございます。心からお礼を申し上げる次第であります。 さて、ことしは国体の年でありました。第六十三回国民体育大会及び第八回全国障害者スポーツ大会は十九日間にわたり熱戦が繰り広げられ、待望の天皇杯、皇后杯を獲得されましたことに対し、大会実行委員会会長の広瀬知事を初め、選手団と関係者に心からお喜びを申し上げる次第であります。また、大会中はもちろん、大会前後の準備や後片づけ等に奔走された方々には心から敬意を表する次第であります。江川局長さんには、大変ご苦労さまでございました。 私もいまだあの大会の感動が忘れられずに、まだ余韻が残っておる状況でございます。うちは孫がおりますので、うちの家も国体グッズで、めじろんグッズでいっぱいでございますが、きょうは、先ほど質問がありました深津議員と同様に、めじろんネクタイ、まだしております。 それでは、一問一答の形で、まず、先週発表されました中期行財政運営ビジョンの素案についてお聞きしたいと思います。 これは、昨日、何人かの議員さん方からもお話がありました。このビジョンは、これまで取り組んできた「プラン二〇〇五」のさらなる推進に加え、「安心・活力・発展のさらなる推進」が掲げられています。合計特殊出生率が二年連続して回復したこの流れを後押しする対策を講じるというもので、「子育て満足度日本一を目指す大分県」をテーマに、三つの分野に十の施策が掲げられています。いずれも県民のだれもが望んでいる施策ばかりで、行財政改革の取り組みにより強靱な行財政基盤を構築し、ぜひ実現してほしいと願うものであります。 その内容を詳しく見てみると、「検討します」と表現されている項目が三つあります。一つは、乳幼児医療費助成の対象年齢の拡大、二つ目は、子供に科学への興味、関心を抱かせるための仕組み、そしてもう一つは、築後三十年以上経過した芸術会館の施設の老朽化等の解決策であります。 他の項目が、力強く「実現します」「取り組みます」等と表現されている中、先ほど申したような「検討します」という表現がされているわけですが、今後、三月のビジョンの成案に向けてどのような方向性を持ちながら検討していくのか、お伺いいたします。  〔衛藤議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○阿部英仁議長 ただいまの衛藤明和君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 衛藤議員には、中期行財政運営ビジョンについてご質問をいただきました。まず私の方からお答え申し上げます。 今回のビジョンは、挑戦する政策とその実現を支える行財政改革という二本柱で構成しております。これからの三年間は、政策を見定めて行革に努力する、また、行革が生み出した成果を政策に生かすという進め方をしていかなければならないと考えております。 つぶさに議員にはお読みをいただいて、そして検討三項目を発見していただきまして、ご質問を賜りました。その件についてお答えを申し上げたいと思います。 議員ご指摘の三項目は、いずれも県民の皆さんの要請も強く、財政事情が許すならば「やります」と言い切りたいものばかりでございます。我々が行革に再び踏み出す目的のシンボルとも言うべきものでございますけれども、先行きが大変不透明な中、どのように創意工夫すれば実現できるのか、最善の選択肢はどれなのかと大いに悩まなければならない課題でもあるわけでございます。 例えば、乳幼児医療費助成でございますけれども、現在、入通院とも所得制限をせずに就学前まで現物給付をしております。全国トップレベルでございますけれども、近年、税収が好調な都市部で年齢を拡大する動きが出てきております。本県で仮に小学六年生まで拡大すると、対象者が二倍になることから、現在、八億四千万円の予算が大きく膨らむということになるわけでございます。 他方、夜間に軽症でも救急病院に連れていくコンビニ受診を助長し、医師不足に拍車をかけるという指摘もあるわけでございます。 さらに、全国の六割以上が導入している所得制限を初め、自己負担額のあり方、二分の一を負担する市町村財政への影響等についても慎重な検討が必要になってくるわけでございます。 また、子供に科学への興味を抱いてもらうための仕組みづくりにつきましても、「子供科学館を」という声があるのも承知しておりますけれども、まず取り組むべきは、本県が持っている科学技術振興にかかわる基盤や資源を最大限に活用していくことではないかというふうにも考えられます。 幸い、本県では、少年少女発明クラブが県内六カ所で活発に活動しておりまして、世界トップレベルの技術を持つ企業の集積も進んでいることから、これに大学や試験研究機関も加わって、子供たちに対する科学の実践活動を充実していくという中でどのような仕組みが最も望ましいのか見きわめていきたいというふうに考えております。いろいろこの件につきましてもやりようがある。その中で一番いいものを選んでいきたいというふうに考えているところでございます。 芸術会館につきましても、施設の老朽化や展示スペースが十分確保できないという状況から、教育委員会におきまして解決策の検討を続けているところでございます。これまでの利用実績も高く、大分県の将来の発展のためには必要なものだと考えておりますので、広く県民のご意見を伺いながら取り組んでいきたいと考えているところでございます。 これら三つの施策は、踏み切る際に多額の経費が伴うだけでなく、それを維持していくには相当の財政的な体力が必要になります。短期間でなかなか結論を出せるものではありませんけれども、今後三年間を検討の三年で終わらせないという気持ちで、財政状況の改善に努め、一定の方向性を出していきたいと考えているところでございます。 ○阿部英仁議長 衛藤明和君。 ◆衛藤明和議員 ご丁寧なご答弁、ありがとうございました。 私は、今回のビジョンで最もといいますか、大変印象深くしておるのは、子育て満足度日本一の大分県ということでございます。 そこで、大変な財政問題があるかと思いますが、乳幼児医療費助成の対象年齢の拡大及び子供に科学への興味、関心を抱かせるための仕組みについては、大分県の未来を大きく左右させる課題であると思います。したがいまして、今回の中期行財政運営ビジョンの基本的な考え方にありますように、県民中心の県政を目指した各種施策を積極的に取り組んでいただきたいと思います。 また、芸術会館の問題については、築後三十年以上経過し、耐震性や雨漏りなどの老朽化や展示スペース確保などの課題により、建てかえもやむなしと考えます。しかしながら、現行の行財政改革プランで明言された、いわゆる箱物の据え置きについては、今後どのようになさるのか、お考えをお聞きしたいと思います。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 衛藤議員ご指摘のとおり、今の行財政改革プランでは、いわゆる三億円以上の大規模施設につきましては、国体関連施設を除いて、当分見合わせるということになっているわけでございます。今度のビジョン素案では、そのことを書いておりません。このことについての、この違いについてのご指摘だろうと思いますけれども、現行行財政改革プランでは、とにかく千四百五十五億円の収支不足がある、これを解消するということを主眼にいたしまして行財政管理型のプランをつくったわけでございます。また、それまでの、箱物の整備が大変それまで進んでおりまして、そのことについてもやっぱり発想を転換する必要があるというような考え方で、ああいうふうにはっきりと、これはしばらくは見合わせる、むしろ喫緊の国体にその資源を集中するというふうなことで明記したところでございます。 今度のビジョンに当たりましては、とにかく夢と希望あふれる大分県の実現ということも大事な中身になっているわけでございまして、初めからもう大規模施設は見合わせるということを決めるのもいかがかと、かつまた、これまでのビジョンのように長く箱物の整備が前提としてあったというようなこともなかったわけでございますから、あえてこれを外したわけでございます。 ただ、当然のことでございますけれども、大規模施設につきましては、建設ばかりでなく、その後の維持管理にも大変な資金が必要になってくるわけでございまして、もちろん、県民の皆さんとよくご相談をしながら、議会にもよくご意見を承りながら、慎重に検討していくということについては変わりない思いでございます。 ○阿部英仁議長 衛藤明和君。
    ◆衛藤明和議員 ありがとうございます。 知事のお考えはよくわかりました。ただ、私が感ずるのに、昨日来からもいろいろやはり、今、金融危機の問題で騒がれておりまして、私どもの地域も大変そういった問題で苦悩しておる状況でございます。したがいまして、この米国の金融危機に端を発する経済危機は、日本はもちろん、この大分県経済にも金融災害と言えるような状況をもたらしていると思います。中期行財政運営ビジョンの策定に向けては、このような厳しい状況に対し、雇用の確保、創出といった視点からの取り組みにも積極的に挑戦する政策挑戦型のビジョンをという名にふさわしいものに仕上げていただくことを切に要望いたしまして、次の質問に入りたいと思います。 続いて、感染症に関する医療問題についてお聞きしたいと思います。 感染症として、今、一番心配されるのは新型インフルエンザ対策であります。この問題につきましては、あすの一般質問での発言通告が出されておりますので、そちらに譲り、私は、幼児の医療問題として、その対策が求められているインフルエンザ菌b型ワクチンの接種についてお聞きをしたいと思います。 その対策は、少子化問題につながる極めて大きな課題であると思います。特に、最も重症な病気に細菌性髄膜炎があります。 過去の調査から、インフルエンザ菌b型による細菌性髄膜炎は、年間約五百人程度が発病し、そのうち約五%の二十五人程度が死亡し、また、約二〇%の百名程度に知的障がいやてんかん、あるいは脳性麻痺などの神経障がいが残ると言われています。 インフルエンザ菌b型は子供に常在する細菌で、はしかやインフルエンザウイルスのようにはっきりとした流行とならないためにニュースにもなりません。静かに個々の悲惨な出来事として続いているのであります。 十年前にWHOがこの病気に効くワクチンを推奨し、現在では世界百カ国以上が接種しているのであります。つまり、ワクチンを接種すればかからない病気に、もう既になっているということであります。参考までに、東アジアで未接種の国は北朝鮮と日本だけだと聞き及んでいます。 我が国でも既に認可され、今月発売されることになっているようでありますが、ワクチンは幼児のときに四回接種する必要がありますから、四回で約三万円程度の受益者負担になると考えられます。したがいまして、高額のため、だれもが受け入れられるワクチンにならないのではないかと心配するものであり、一刻も早くワクチンの予防接種法による無料化、定期化をする必要があると考えますが、県のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○阿部英仁議長 阿南福祉保健部長。 ◎阿南仁福祉保健部長 インフルエンザ菌b型による感染症についてお答えをいたします。 インフルエンザ菌b型ワクチンは、昨年の一月二十六日に国内で製造販売承認を取得しておりまして、今月十九日から国内販売が開始されることになっております。 予防接種は、より高度な安全性が求められることから、国において重篤な副反応の発現頻度を把握する調査や他のワクチンと同時に接種した場合の有効性、安全性を確認する臨床試験を行うということになっております。 県としましては、ワクチンの有効性及び安全性が確認され次第、予防接種法に基づく定期の予防接種として市町村において接種できるよう、国に対して要望していきたいと考えております。 ○阿部英仁議長 衛藤明和君。 ◆衛藤明和議員 ありがとうございます。 ぜひ国に対して要望していただきたいと思います。 インフルエンザ菌b型というのは、なかなか耳にしない、知らない方も多いと思いますので、少々つけ加えさせていただきたいと思います。 インフルエンザ菌b型の正式名はヘモフィルス・インフルエンザ菌b型と言い、通称はヒブと言います。ヒブは、細菌性髄膜炎の約六割を占め、約三割を占める肺炎球菌とあわせて、全体の約九割を占めます。いずれも日常的に存在する菌で、格別、珍しい菌ではありません。 また、細菌性髄膜炎は、早期には、発熱以外、特別な症状が見られない場合が多く、早期診断が大変難しい疾病であります。 さらに、近年では、この菌の抗生物質に対する耐性化が進んでおり、これまで以上に治療が難しくなっている現状があります。 つまり、細菌性髄膜炎から子供たちを守るためには感染を予防することが極めて重要なのであります。そして、ヒブと肺炎球菌による細菌性髄膜炎はワクチン接種によって予防することができるのであります。したがいまして、子育て満足度日本一を目指す大分県としては、細菌性髄膜炎から子供を守るために積極的かつ一日も早い対応を行うべきであると思います。 なおまた、話に聞くところによりますと、鹿児島市や宮崎市では、既にワクチン接種一回につき三千円の補助を決めているそうであります。 本県は、一昨年より、全国に先駆けて、国の障害者自立支援法を補う形で緊急の救済策を推進し、さらに今回の補正予算では新規事業として新型インフルエンザ対策強化事業費二千百八万七千円を計上するなど、まさに安全安心戦略を積極的に取り組まれていることに対し、心から敬意を表する次第であります。 したがいまして、この件につきましてもぜひ前向きに取り組んでいただきますよう切にお願いを申し上げる次第であります。 次に、国道二一三号の交通混雑緩和策として、まず空港道路の通行料金についてお尋ねします。 今、国東半島は、大分空港を抱え、また、テクノポリスの指定を受けてから多くの各種工場が進出し、多数の社員が通勤に国道二一三号を利用していることはご承知のとおりであります。そして、国道二一三号の混雑は年々頻度を増し、それと同時に交通事故もふえてまいりました。今やこの交通混雑の緩和は、地区住民だけでなく、国道二一三号利用者の悲願となっております。 さて、国土交通省は、昨年より、一般道の交通混雑緩和策として朝夕通勤時等の高速道路割引料金社会実験を行っていることはご案内のとおりであります。そして、さらにことし九月より、安心実現のための緊急総合対策として、ETC車に限ってではありますが、深夜割引の拡充や夜間割引時間帯の拡大を皮切りに、休日昼間時間帯の割引導入等、三割から六割引きの思い切った料金社会実験を行っているのであります。これにより、交通混雑の緩和はもちろん、原油価格高騰対策として大きな役割を果たしていると考えるのは私一人でありましょうか。 また、十月には麻生総理が景気対策として、土、日、祭日に限り、高速道路千円乗り放題という画期的な通行料金の割引策を発表いたしました。これは、国内観光等を飛躍的に後押しすることになり、すばらしい発想であると考えます。 それに比べ、大分空港道路の料金は、開通以来、全線五百円が割引チケットを利用しても百円の割引にしかならず、国道二一三号の混雑緩和には何の役にも立たないと言っても過言ではないと考えます。 そこで、空港道路の料金割引についてどのように考えておられるか、県のお考えをお聞かせください。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 お答えいたします。 大分空港道路は、空港利用者等の利便を図る観点から短期間での整備を可能とするために、建設費と管理費を利用者からの通行料金で賄う有料道路制度によりまして整備したものでございます。 十九年度末現在、政府貸付金などの残額が約十四億円、県の出資金返済残額が約六十億円ございまして、現在の交通量は計画の八割程度にとどまっていることから厳しい収支状況となっております。 通行料金の割引につきましては、一定の交通量の増加が期待できるところではございますが、通行料金の収入の減少につながります。 現在の割引を拡充するためには、平成三十三年十一月までとなっております料金徴収期間の大幅な延長等による財源の手当てが必要となりますことから、こうした厳しい状況の中でとり得る手だてはないか、利用者増の方策はないか、道路公社を交えて検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 衛藤明和君。 ◆衛藤明和議員 ありがとうございます。 大体予想どおりの答弁でございました。 先ほど言いました検討というのは、何か、どうもできそうにないというような感じがしておりまして、確かに私もお聞きしております、大変まだ支払いが残っておるということだろうと思いますが、国がやっておるように、社会実験ですね。僕はやはり、逆に、余りあそこを通行した人が、非常に、どう言うんでしょうか、朝夕の混雑を避けて通ることによって時間が守られるという、そういったいい面がわかってない方が結構多いんじゃないかと思います。そういった意味で、ぜひ社会実験をして、半年でも一年でも結構です、やってみて、そしてどうなるか、考えてみたらいいんじゃないか、こういうふうに思うんです。 それと、ちょっと通行料金についてお聞きしたいんですけれども、空港道路の回数通行券料金表を見ますと、例えば、全区間では、千円券利用による通行料は一回が四百円であるのに対し、六十回券利用による通行料は一回が四百二十四円となっているのであります。つまり、二万五千四百八十円を前払いで支払う通行券よりも八百円を前払いで支払う通行券の方が安いというのは、どうも全く理解ができないわけでございまして、この辺どうなっているのか、どのような計算をして決定したのか、ちょっと教えていただきたいと思います。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 お答えいたします。 往復割引券の二〇%という割引につきましては、その多くが空港を利用している人から料金をいただくということで、特別に最大限の割引を適用して二割ということにしております。六十回券の方は、国の方の通知で一七%の割引ということが決まっております。特に往復使っていただく券ということで、最大限の二〇%割引をしているような状況でございます。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 衛藤明和君。 ◆衛藤明和議員 その辺、済みません、何かよくわからないんですけれども、国は三割、六割の割引実験をやれるのに、何で県ができないのかという、その辺の理屈がよくはまらないんですけれども、やはり、この形では、六十回券とか百回券買う人はないと思うんです。千円券の割引の八百円を買った方が得だし、そんなに前払いをたくさんする必要もないんで、どうもあの形は、何か、利用者が不思議に思っておるんです。ですから、その辺も踏まえて、やはり見直しを考えていただきたい、こういうふうに思いますので、要望にかえさせていただきたいと思います。 それから、引き続き杵築地区の国道二一三号の改良についてでありますが、国道二一三号の交通混雑は、塩田交差点付近の夕刻時が特にひどく、交通事故も年々増加傾向にあります。また、塩田交差点付近の混雑を避けるため、国道二一三号大内橋交差点から迂回して市内北浜方面に向かう車両が増加し、大変危険な状況になっております。また、交通事故も大変ふえております。したがいまして、国道二一三号塩田交差点付近の改良が急務であると考えますが、県のお考えをお聞きしたいと思います。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 お答えいたします。 議員ご指摘の塩田交差点付近につきましては、平成十八年二月に実施しました調査で、夕方の時間帯に空港方面からの交通混雑が発生しておるため、公安委員会と協議しまして信号サイクルの見直しを行いました。しかしながら、本年一月と十一月に実施しました調査では、交通量も増加し、依然として九百メートル程度にわたる渋滞が発生していることも確認しております。 今後は、交通状況を十分に分析しまして、公安委員会や杵築市などと連携して、交差点改良を含めまして、ハード、ソフト両面から渋滞解消に向けた対策を検討してまいりたいというふうに考えております。 ○阿部英仁議長 衛藤明和君。 ◆衛藤明和議員 ありがとうございます。 やっと前向きなご意見をいただきました。やはり交通事故の問題もありますし、ぜひ改良をお願いしたい。 それから、先ほどは夕刻の交通混雑についてだけ申し上げましたが、実は早朝の交通混雑も大変顕著になってまいりました。それゆえ、早朝の国道二一三号の混雑を避けるため、県道糸原杵築線を迂回路に利用する車両が大変多くなってまいりました。現在、糸原杵築線は改良工事中ではありますが、それ以外にまだ約一キロほど未改良の部分が残っており、また、通学路のため、大変危険な箇所になっております。したがいまして、県道糸原杵築線の杵築地区が一年でも早く全線完成しますように、特段のご配慮をいただきますようお願いし、要望にさせていただきたいと思います。 続きまして、交通行政についてお伺いします。 まず、交通安全運動に対し、大変なご関心を持たれ、並々ならぬご努力をされております広瀬知事と県警当局に心から敬意を表する次第であります。 さて、ことしの交通事故死亡者数は昨年を上回るペースで進み、昨日時点で七十三人を数え、既に昨年を大幅に上回っています。全国的には減少傾向のようでありますが、本県では逆に増加し、しかも増加率はワースト二位に位置しているようで、昭和二十八年以来、五十四年ぶりに死亡者数が六十人を割る五十九人といった結果を残した昨年とどこが変わったのでありましょうか。この原因をどのように分析しているのでしょうか。 これから年末にかけては、例年、死亡事故が多く発生する時期であり、飲酒の機会もふえますので、一層の取り組みの強化が必要ですが、どのように取り組んでいくのでしょうか、県のお考えをお聞かせください。 ○阿部英仁議長 田盛警察本部長。 ◎田盛正幸警察本部長 まず、本県の交通事故ですが、昨日現在、前年同期比で、事故件数はマイナス三百三十三件、負傷者数はマイナス四百八十九人と減少しております。その中で、議員ご指摘のとおり、死者数だけが計七十三人と、十八人の増加となっております。 昨年との主な違いでありますが、状態別では、ミニバイク等二輪車の事故死者が十七人と、十人の増加、うち高齢者が九人と、五人の増加となっております。また、大型トラックが関係した死亡事故が九件と、五件の増加となったこと、さらには、地区別では、大分市内での発生が二十三件と、十三件増加したことなどが挙げられます。 また、原因別では、前方不注視、安全不確認、スピードの出し過ぎなどの基本的な交通ルールの不遵守によるものが約七七%を占め、全国平均のそれを一三ポイントも上回っていること、さらには、交通事故の際の歩行者の違反割合も全国平均を六ポイントも上回っている点も増加の一因として挙げられます。 こうした実態を踏まえまして、広く県民各層を対象に、交通安全意識の高揚、安全行動の実践を促進するための各種施策を充実強化してまいりますほか、特に二輪車、大型トラックを重点とした検問及び交通安全指導の徹底や、大分市を中心とした交通指導取り締まりの強化を図ってまいりたいと考えております。 なお、年末に向けましては、飲酒運転等による重大事故の発生も懸念されますことから、飲酒運転、速度違反等に重点を志向した取り締まりを強化いたしますとともに、今月十五日から始まります「おおいた年末・年始の事故ゼロ運動」、これを関係機関、団体と連携しながら強力に推進してまいります。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 衛藤明和君。 ◆衛藤明和議員 ありがとうございます。ご丁寧な答弁をいただきました。 今、本部長さんがお話された中で、私が聞いている範囲ですが、シートベルトの非着用も大変多い、それから、夜間の発生が七〇%程度あるというようなお話も聞いております。どちらにしましても、やはり私としては、交通マナーの問題、交通教育の問題かな、こういうふうな感じがしております。 しかし、やはり交通安全運動には終わりがないと思います。そして、特効薬もないかもしれません。さらに、死亡事故ゼロは人類永遠のテーマかもわかりません。しかしながら、これを何とかしなければならないという中で、私どものところで少し取り組んでおる関係もありますが、やはり交通安全教育をいかにするかということだと思います。交通安全協会、あるいは推進協議会、それから、老人クラブとか、学生、学校単位の交通安全教育がやはり必要かなというふうに、徹底した教育が必要ではなかろうかというふうに思っておるところでございます。 年末、大変でありましょうが、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 時間も余りないようなので、次に移りたいと思いますが、交通事故の犠牲となって亡くなられる方の多数を占めるのは高齢者であります。高齢死亡者は、近年、四十人前後で推移し、その割合は五割を超え、特に十九年は、死亡者数が少なかったこともあり、七割近くにもなっています。ことしは今のところ三十三人と、平成十八年に続いて少ない数字となっています。この傾向が一時的なものでなく、今後も続くように、引き続き取り組みの強化を強くお願いするところでありますが、私が気になっているのは、特に高齢者が加害者になる事故であります。 高齢化が進むにつれ、高齢者の免許保有者が増加する中で、高齢者が第一当事者となる交通事故の発生件数も年々増加しています。他県では、ブレーキとアクセルを間違ったり、高速道路を逆走したり、重大な事故につながるおそれのある事例も発生しています。 このような事態を未然に防止するためには、高齢者みずからが高齢化から来る判断能力や視認力の衰えを自覚し、安全な運転に心がけてもらうことも大事ですが、最終的には、高齢者を守るために運転免許証を返納していただくことも、また重要であるかもしれません。しかしながら、免許証の返納件数は近年減少傾向にあり、平成十六年の三百三十八人が、昨年は二百三十八人に減少したということであります。 その原因はいろいろあると思いますが、やはり公共交通機関の発達していない過疎地や山間部に住む人々にとっては、車は重要な交通手段であり、代替手段が確保できなければ、そう簡単に返納とはなりません。また、運転免許証は身分証明書の役割もあり、そのためにも持っていたいという人が多いことも原因の一つかもしれません。そうしたことから、各県とも高齢者の交通手段の確保等のためのいろいろな取り組みを実施しています。 私は、本県においても同様の取り組みが進められ、一人でも多くの高齢者の方が免許証を返納して、交通事故の加害者とならないことを願うのであります。 大事なことは、生活する環境の異なる高齢者の気持ち、意識を十分に踏まえた上で、免許証を返納した後の生活に支障を来さないようにすることだと考えますが、高齢者の運転免許証の返納に向けた今後の県の取り組みについてお聞きしたいと思います。 ○阿部英仁議長 宇都宮生活環境部長。 ◎宇都宮鉄男生活環境部長 お答えを申し上げます。 高齢運転者の方々の免許証返納を進めるに当たりましては、高齢者の方々が免許証を返納した後に生活に支障を来さない、そういった返納しやすい環境づくりが何よりも重要だと思っております。 こうした中で、来年の一月二十日からでございますけれども、バス会社の協力を得まして、また、県警とも共同で、佐伯市内に居住する七十歳以上の免許証返納予定者の方々を対象に、路線バス料金の割引について実証実験を行うことといたしております。また、大手スーパー、ドラッグチェーン等で買い物料金の割引についての協議を進めております。それから、市町村とともに、コミュニティーバスの運行の充実、また、住民基本台帳カードの無料発行等についても現在協議をいたしているところでございます。 さらに、運転免許証の返納に当たりましては、高齢者の方々のお気持ち、心情にやっぱり細心の注意を払う必要があるということで、丁寧な広報、啓発を心がけてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 衛藤明和君。 ◆衛藤明和議員 ありがとうございます。大変いいお考えだと思います。 都会では、公共交通機関が発達しているので、電車、バスなどの待ち合い時間も少なく、車がなくても、それほど不便を感じないかもしれません。しかし、地方では、車以外に交通手段がないところも多く、老人だけの世帯では免許を返納することに不安を感じる人々が多いのも事実であります。 そのような中で、例えば宮崎県では、ことし四月から、免許証を自主的に返納した六十五歳以上の運転者に対し、バス定期券が格安で購入できる高齢者運転免許証返納カードを発行する制度をスタートさせています。このカードを見せれば、高齢者用バス定期券を半額で買えるなどの特典があり、さらに県内各地の温泉施設や飲食店の割引などのサービスもあるそうです。 また、秋田県では、既に二〇〇二年、県内のバス会社三社と協力して、運転免許証を自主的に返納した六十五歳以上の人を対象に運転免許返納者フリー定期券を発売しています。定期券は、一カ月一万円、三カ月で二万一千円、六カ月で三万六千円の三種類だそうで、高速バスや空港リムジンを除き、県内を走るすべての路線を格安な運賃で自由に利用できるというものであります。 さらに、二〇〇七年十一月からは、全県の免許返納者にはタクシー料金一割引きも始めたようであります。 なおまた、現在、高齢者が運転免許証を自主返納すると、かわりに運転経歴証明書というのも交付されています。これは、形状、デザインとも運転免許証に非常に似たもので、これが身分証明書の役割を果たします。ただ、これは、有効期間が五年に限られており、住所変更などの書きかえもできないなど、制度的にまだ不十分な面もあります。 どちらにしましても、高齢者の免許返納を進めるためには、高齢者が免許返納した後の生活が困らない十分な社会整備が必要と考えます。そういうことでよろしくお願いしたいと思います。 時間がないので、続けます。 続いて、交通行政と密接にかかわる財団法人大分県交通安全協会についてお尋ねしたいと思います。 大分県交通安全協会は、昭和三十年九月七日に、交通道徳の高揚を図り、明朗で整然とした交通秩序を確立し、あわせて交通事故の発生を防止することを目的として設立され、ことしで五十三年を経過しています。また、設立以来、死亡事故はもちろん、交通事故ゼロを目指し、県内各警察署と強く連携をとりながら、県内各地で広く活動を行っていますボランティア団体であります。 協会の規模は、現在、十七支部、四百四十一分会で、総役員数は五千名以上になると聞き及んでいます。これは、大分県交通安全運動の一翼を担っていると言っても過言ではないと思います。 しかしながら、社会情勢の変化により、平成十八年より急激に会員が減少し始め、協会本部はもちろん、各支部の財政は破綻寸前の状況であります。これは大分県の交通安全運動にとって大きな問題であると考えますが、このような状況に対する県のお考えをお聞きしたいと思います。答弁だけお願いします。 ○阿部英仁議長 田盛警察本部長。 ◎田盛正幸警察本部長 交通安全協会は、交通事故防止及び交通道徳の高揚を図るための広報活動や調査研究、さらには幼児、児童生徒に対する交通安全教室の開催などを行っておりまして、交通安全活動の中核として大きな社会的貢献をされている公益性の高い法人と認識しております。 県警としましては、協会が県民の理解と協力を得ながら、今後も県下の交通安全のために県民をリードする幅広い交通安全活動を展開されますよう大いに期待しておりますとともに、協会を指導、監督する所管官庁として、事業収入、会費収入ともに減少し、厳しい財政状況下にあります協会の健全かつ安定的な運営等につきまして必要な指導、助言等を行ってまいりたいと考えております。 ○阿部英仁議長 以上で衛藤明和君の質問及び答弁は終わりました。 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○阿部英仁議長 ご異議なしと認めます。 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。  ------------------------------- ○阿部英仁議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 次会は、明日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知いたします。  ------------------------------- ○阿部英仁議長 本日は、これをもって散会いたします。     午後三時三十二分 散会...